長野市の清泉女学院大学が一部学部の一般入試を直前で中止したことがわかり、文部科学省が報告を求めるなど波紋が広がっています。ある受験生の保護者は「娘はパニックになった。大人の都合に子どもが振り回された」と批判しています。
■「娘はパニック状態」
娘が受験・保護者:
「(娘は)私と同じく本当に頭が真っ白になり、これから本当にどうしたらいいんだろうと、本当にパニックというか、そんな状態でした」
NBSの電話取材に応じた県内在住の40代女性。「パニック」と語ったのは、娘の第一志望だった清泉女学院大学の人文社会科学部が、一般入試の募集を取りやめたことです。
娘が受験・保護者:
「とにかく清泉に入ることしか考えていなかったので、まず改めて1から自分のレベルに合った学校を選び直さなきゃいけないので」
■大学「早期に定員に達した」
人文社会科学部は、2025年4月から新設される学部で、一般入試は、最も早い日程で、1月6日から出願を受け付け、31日に試験が行われる予定でした。
しかし、大学は12月23日、ホームページで「募集は終了しました」と一般入試の取りやめを発表。
大学は、「昨年度、すべての学部で定員割れだったことから、募集に力を入れた結果、早期に定員に達した」としています。
清泉女学院大学・小池英男事務局長:
「優秀な学生が年内入試で受験してもらい、本学の予定していた数に達したため、やむなく年内入試までで、年明け入試を取りやめた。本学を希望していた受験生に対してご迷惑をかけたことは深くおわび申し上げる。何が受験生にとって本当に不利益かと検討していた。その結果、合格者を出せない入試はやるべきではないと」
■「大人の都合に娘が振り回された」
冒頭で紹介した保護者の娘は、人文社会科学部を第一志望として、12月21日、総合型選抜(AO方式)を受験しました。しかし、結果は不合格。
続いて、一般入試での受験を考えていましたが、すでに試験は取りやめられていました。
娘が受験・保護者:
「大人の都合に本当に子どもが振り回されたというか、犠牲になったというか、そういう感じ」
また、保護者によりますと、12月21日に娘と同じ学部学科の総合型選抜を受けた全員が「不合格」となっており、「すでに定員に達していたのでは」と不信感を募らせています。
娘が受験・保護者:
「(報道を見ると)12月までに受けた子たちを取ったから一般入試やらないという表現だったが、だったら事前に娘が受ける前にやめてほしかった。取る気がないならやめてほしかった」
■文科相「誠に遺憾」
一方、大学側はー
清泉女学院大学・小池英男事務局長:
「合格者が出ないのに実施して全員不合格とかは本学のとるべき対応ではないと思うので、定員の管理は今回のことを検証しながらしっかり見ていきたい」
文部科学省は今回の措置を問題視していて、大学に報告を求めています。
阿部俊子文科相:
「社会からの大学入学者選抜に対する信頼を損なわせかねず、誠に遺憾」
大学は今週中に報告に行くとしています。
■保護者「第一に子どものことを」
保護者によりますと、娘は、高校のサポートを受けて、次の目標へ向かい受験勉強を励んいるということです。大学に対しては、次のように注文しました。
娘が受験・保護者:
「教育機関として子どもを預かる場所。学校の存続とかの前に、第一に子どものことを考える学校であってほしいと思う」