海の向こうでは大統領選挙が白熱しているが、日本では季節外れの大激戦が展開中だ!
それは、冬日(最低気温0℃未満)と夏日(最高気温25度以上)の攻防。
もう11月だが、まだ「暑い」という声が聞こえるなど、季節感がまるでない。
私もこの秋、「あぁ秋だな」と実感したのは指を折る程度。
晩秋を迎えた今、冬日と夏日どちらが多いのか?

なんと4倍超!11月の夏日地点

フジテレビ気象センターで働くスタッフの服装もセーターから半袖まで季節感がバラバラだ。
そこでデータ班の登場。11月の夏日と冬日の地点数を調べた。
例年なら、11月に入ると冬日が夏日の数を上回るが、2024年は5日までに、なんと夏日が494地点(延べ数)で、冬日の4倍を超える圧倒的数字だったのだ(冬日:116地点)。
ここまではまだ夏日の勢力が強いわけだが、今週展開が大きく変わりそうだ(5日午後6時30分まで)。

【このあと大激戦に!】

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6日(水)以降、ここまで鳴りを潜めていた冬日が一気に数字を伸ばしそうだ。
10日(日)にかけて、北海道や東北だけでなく、甲信越や岐阜、さらに関東でも冬日になるところが出てきそうだ。
一方で、夏日はめっきり減っていき、鹿児島県の一部だけとなる見込み。
今後数日間で、冬日が連日100地点を超え、これまでの形勢を一気に逆転するかもしれない。

【冬タイヤの準備はお早めに】

冬日が一気に増える理由は、日本の上空に師走並みの寒気がやってくるからだ。

7日(木)には、標高の高い山で雪化粧するレベルの寒気が、関東北部や西日本では山陰地方あたりまで南下する。
そして北海道には、平地に雪を降らせる一段上のレベルの寒気は、北海道をスッポリと覆うだけでなく、青森など本州の一部にもかかってくる予想だ。
この寒気は12月上旬並み、いわゆる師走並みの強さで、平地で雪が降るだけでなく、路面に雪が積もって、交通に影響が出てしまう可能性がある。
北海道だけでなく、本州でも峠越えを予定している方は、冬タイヤへの履き替えを検討していただきたい。

【関東でも霜レベルの冷え込み】

寒気の影響は、予想気温にも表れている。

これまで平年より高い状態だった朝の最低気温は、多くの地点で平年並み、もしくは平年を下回る日が多くなる傾向だ。
8日(金)は関東でも、栃木・宇都宮市で霜が降りる目安の4℃の予想。初霜の便りがあるかもしれない。
さらに東京都心は、今季初のひとケタとなる8℃。冬掛けの布団がまだという方は、準備しておくと良さそうだ。

今年は、例年にないくらい季節のズレを感じている人が多いと思う。
ただ、季節は一歩一歩進んでいて、着実に冬がやってくる。
年末の多忙期を待たず、家や身の回りの掃除や暖房器具の点検。雪国の方は、雪かき道具や冬タイヤの準備をするなど冬支度を進めてほしい。

樋口康弘(フジテレビ気象センター・気象予報士)

樋口康弘
樋口康弘

福島県福島市出身。東京理科大学理学部卒(数学専攻)。
アウトドアな趣味が高じて、SEから気象予報士に転身。(ちなみに趣味:スノーボード、登山、競馬、麻雀など※共通点は風を読むこと)
気象キャスター、気象ディレクター、デスク(気象災害部門)を経て、現職。座右の銘は「1分、1秒を大事に!」。
天気といえば「フジテレビ」、防災といえば「フジテレビ」、行動のきっかけは「フジテレビ」を目指して奮闘しています。