迷走する飯山駅前(長野県飯山市)のホテル計画。ホテルを建設し運営する予定だった事業者が取材に対し、計画を当面、凍結する考えを示した。市が補助金を出す予定だったが、市長と議会の対立で支出の見通しが立たなくなり、事業者側は「現状では事業が進められない」としている。

駅前ホテル計画を「当面凍結」

「補助金が出ないとなるとホテル建設は成り立たないと考えている。もう一度、最初からやり直すと」

飯山ホテル・寺島勲取締役
飯山ホテル・寺島勲取締役
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こう話すのは、飯山駅前にホテルを建設・運営を予定する「飯山ホテル」の寺島勲取締役。10月17日、NBSの取材に応じ、駅前のホテル計画を当面、凍結する考えを明らかにした。

市長と議会が対立

飯山市が誘致していた駅前のホテル建設。2021年、公募に応じた地元経営者らでつくる「飯山ホテル」に対し、市は当初、最大5億円を補助する方針を示し、議会も承認していた。

ホテル建設計画の経過
ホテル建設計画の経過

しかし、そのあとの選挙で事業の検証を掲げて当選した江沢岸生市長が、「補助金の支出はしかねる」と表明。見通しが立たなくなり、飯山ホテルは2023年7月、民事調停を申し立て、市側と解決策を探ってきた。 

その結果、江沢市長も補助金を出すことを認め、2024年6月、「補助金は最大3億6000万円」とすることなどで合意した。

飯山市・江沢岸生市長
飯山市・江沢岸生市長

議会の承認があれば、事業が進められるはずだったが、市議会は調停条項案を否決。調停の経過を「守秘義務がある」として説明しない市長に議会側が反発した形だ。 

飯山市議会
飯山市議会

市長と議会の対立で再び暗礁に乗り上げ、「飯山ホテル」は計画を当面、凍結する考えだ。

損害賠償求め市を提訴することも検討

「飯山ホテル」の寺島勲取締役は 「これ以上進めても進展は見込めないという判断に至り、調停を取り下げることにしました。議会で否決になったということはホテル建設は正直、難しいと思います」と話す。

ホテル建設予定地
ホテル建設予定地

「飯山ホテル」は、今後、設計費などについて、損害賠償を求め市を提訴することも検討しているとしている。

市民「何でできないの」

飯山市民は「出張の人がいっぱいいるけど中野の方に行ってるみたいだし、泊まるのに。何でできないのかなって」 、「空けといちゃもったいないよね」と、迷走ぶりにあきれている様子だ。

計画凍結について市は、「今後の対応を検討している」としている。

(長野放送)

長野放送
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