兵庫県 斎藤元彦知事:
3年前ですね、県民の皆さんに大きなご負託をいただきました。ただ、今回の文書問題において、今の状況になっているということは、私にも大きな責任があるというふうに思っています。この点は、県民の皆さんに改めておわびを申し上げたいと思っています。
県議会がどういう判断されるかを踏まえて、自分なりの考えで判断していきたいというふうに思っていますので、その辺は県民の皆さんになんとか理解していただけるようにしていきたいと思います。

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19日、そう言って深々と頭を下げ、庁舎へ入っていった斎藤元彦知事。

兵庫県議会では、自民党県議団が「不信任決議案」の動議を提出。県議86人が全員「賛成」に票を投じ、可決されました。

斎藤知事は可決された瞬間も表情を変えず、議会では今後について明言することはありませんでした。

斎藤元彦知事:
不信任決議案の可決という形になりましたので、これは大変重い議会側の選択です。
自分自身の思い、そして兵庫県にとってどういうことがこれから大事かということですね。そういったことも考えながら「自分自身の心の中と問いながら」ですね、考えていきたいというふうに思います。

3年前の選挙で斎藤知事を支持していた、自民党の中田慎也議員は…。

自民党 中田慎也県議:
(今は)全然連絡は取ってなくて、ただ気持ちはとても分かって、知事自身が意図的に議会と連絡を取らないようにしていて、やはり議会と知事との関係をしっかり断とうとしている。つまり「自分自身で考える」という意図を感じるんですね。

一方で、百条委員会のメンバーである竹内英明議員は、議会では今後について話さず判断を先送りしたことについて「できるだけ早期の決断を」と口にしました。

ひょうご県民連合 竹内英明県議:
議会の中で、あの後すぐに議長に発言を求めて、何かしらの行為をするべきだったんじゃないか、それが説明責任ではないかと私は思います。
不信任案が議決された知事が、今から10日間の間に何か新しいことをするとか、県民の皆さんの負託を得て県政を前に進めると言ったって、“説得力がゼロ”なんですよ。できるだけ早期に決断していただきたいと思います。

説明責任「果たしていない」が8割…支持する声も

今回の不信任決議案の可決を受け、街で聞こえてきたのは、兵庫県民の“複雑な胸の内”でした。

兵庫県民 40代:
人の命がなくなっているわけだから、それをもっと受け止めてほしいですよね。会見を見ていてもそれが全然感じられないので。

兵庫県民 30代:
自分が起こした原因だから、そこは謝った方がいいかなと。だけど、兵庫県のためにやってきたっていう功績は事実あるんで、頑張ってほしい。

兵庫県民 30代:
知事だけが悪いとは限らない。結果、人が亡くなっているという事実はあるけれど、トップだけが責任取りますって、処理するべき話じゃないんじゃないかなと思いますね。

「めざまし8」が独自に行った兵庫県民アンケート(50人回答)では「知事が“疑惑”について説明責任を果たしている」という問いに「思う」と答えた人が16%、「思わない」と答えた人が82%でした。

7月に行った同じアンケートでは「思う」が6%だったことから、説明責任を果たしたと感じた人が増えている一方で、いまだに8割の人が「思わない」と回答しています。

県民の声をどう受け止めるべきか。百条委員会のメンバーでもある竹内英明兵庫県議と、元東京副知事の青山 佾氏に話を聞きました。

竹内英明県議:
百条委員会が設置された段階では、反対の会派もあったのですが、斎藤知事や副知事の証人尋問が行われる中、元県民局長が告発文で指摘した内容が“嘘八百”ではなく、逆に真実も相当含まれているのではないかとなりまして、不信任の機運が高まり、86人全員の賛成で成立したということで、一定の区切りがつきましたので、告発文を書かれた天国の局長にも報告したいと思っています。

――知事の“実績”などから、応援する声もあるようですが?
実は県議会でも斎藤知事を“改革派知事”と認識している人はほとんどいなくて。
公用車のセンチュリー廃止や期末手当・退職手当削減と言ったある意味分かりやすいことが報道されて、(実績があると)このような認識をされているのだと思うのですが、外郭団体の天下り(規制)については、百条委員会で政治資金パーティーの告発文が出ていますが、実は現職の外郭団体の職員がほとんど中心になって知事のパーティー券を販売しているということ、私が百条委員会にもう一度選ばれましたら明らかにしていきますので。外郭団体の改革というのは、むしろ逆行していることがいずれ明らかになるかと思います。

青山 佾氏:
斎藤知事は改革者として期待されて知事に当選したのだと思います。ところが側近グループを形成して権力者になって、今回は改革をされる側になってしまったと。
他の県でも、東京都も含めて知事の任期が長くなるとそういう傾向があって、最後は悲惨な結果に終わることもままあるわけで、これが早すぎたというのが今回のケースなのかなと。
(「めざまし8」9月20日放送より)