木原防衛相は10日の記者会見で、中国の動画サイトに投稿された、海上自衛隊の基地で護衛艦をドローンで撮影したとされる動画が「実際に撮影された可能性が高い」とする防衛省の分析結果について、「極めて深刻に受け止めている」と述べた。
問題の動画は、法律でドローンの飛行が原則禁止されている横須賀基地で、停泊中の護衛艦「いずも」をドローンで撮影したとされ、防衛省は9日、「実際に撮影された可能性が高い」との分析結果を公表した。
木原防衛相は会見で、「防衛関係施設に対してドローンにより危害が加えられた場合、我が国の防衛に重大な支障を生じさせかねないことから、極めて深刻に受け止めている」と述べた。
そして、再発防止に向けて、「基地警備能力等を高める不断の努力が重要になってくる」と強調し、より能力の高いドローン対処機材の早期導入、電波妨害による違法ドローンの強制着陸といった法令の範囲内での厳正かつ速やかな対処を徹底し、基地警備に万全を期す考えを示した。
木原防衛相は先月、「悪意を持って加工、捏造されたものである可能性を含めて分析中だ」と述べていた。
この点については、「国際社会では、偽情報の流布により他国の世論や意思決定に影響を及ぼすことなどを目的とする情報戦に焦点があたっている」と指摘した上で、「我が国に対する悪意を持った影響力行使の活動の一環として、加工、捏造されたものである可能性を含め、慎重に分析を行う必要があったことから発言したものだ」と説明した。
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