作業員が歩道に設置していたのは、赤い三角コーン。ドリルで、歩道に穴を開ける作業員。
山梨・富士河口湖町で、30日から迷惑行為を防ぐための異例の工事が始まった。
この場所は、コンビニエンスストア越しに世界遺産の富士山を望める、人気の映えスポット。
この眺めを目当てに、海外から多くの観光客が訪れている。
しかし、道路への飛び出しやごみのポイ捨てなど、迷惑行為があとを絶たない状態。
こうした事態を受け、町は苦肉の策として、向かいの歩道からコンビニ富士の写真を撮れないよう、高さ2.5メートル・幅20メートルの黒い幕を設置することにしたのだ。
男性は、左右をキョロキョロ確認すると、なんと歩道を飛び出し、車道の真ん中で写真撮影。
車が来ると歩道に戻るが、来なくなったら道の反対側へ。
無理に渡ろうとすると、当然、道路に飛び出した女性と車がぶつかりそうになるひと幕もあった。
歩道には、英語で「道路を横断しないように」と書かれているが、守られている様子はない。
コンビニの駐車場にいた男性は、あろうことか車の上によじ登って、写真撮影。
コンビニの店員も、ジェスチャーで「ダメ」と注意していた。
30日は工事の影響からか、コンビニ向かい側の歩道からではなく、コンビニの敷地内に三脚を設置し、写真を撮る観光客の姿が目についた。
今回、町が決めた黒い目隠し幕の対策は、海外メディアも報じるなど、大きな関心を集めている。
インドからの観光客は、「景観をブロックする事に賛成です。地元の人たちが安心して暮らせることが大事だと思います」と話す。
一方、イタリアからの観光客は「観光客はマナーよく行動して、ルールを守るべきです。そうしないと、誰も何も見ることができなくなります」と述べた。
30日の工事では、歩道脇への穴開け作業が完了。5月1日は、そこにポールを設置し、準備でき次第黒い幕を張る作業に取りかかるという。
