北海道で起きた、5人が死亡したバスとトラックの衝突事故。6月19日、トラックの運行会社が謝罪した。
FNNが入手した映像には、トラックがはみ出す様子が映っていた。
トラックがバスに突き刺さる…衝撃の瞬間
大事故は6月18日、北海道八雲町の国道5号線で起きた。
この記事の画像(20枚)FNNが入手した、事故の瞬間をとらえたドライブレコーダーの映像。
対向車線を走るトラックがセンターラインをはみ出し、バスに衝突。
その衝撃で、トラックの荷台に積んでいた豚が道路に飛び出した。
衝突後は、トラックがバスの右側に刺さっているような状態になっていた。
事故に遭ったバスは、札幌駅と函館市の湯の川温泉を結ぶ「高速はこだて号」。
トラックが突っ込んだ右側前方部分は、えぐられたように大きく壊れている。
事故の目撃者:
トラックがセンターライン側に寄ったのが見えたので、ヤバいなと思って
バス運転手や運転席側の3人が巻き込まれ…
この事故で、バスとトラックの運転手2人と、バスの乗客の合わせて5人が死亡。乗客12人が重軽傷を負った。
亡くなった乗客3人は、運転手のすぐ後ろの窓側の席に座っていたことが分かった。
亡くなった高清水忍さん(57)は、バスの前から3列目に座っていて、事故に巻き込まれた。
知人によると、高清水さんはサーフィンが趣味で、海沿いの地域に夫婦で札幌から移り住んで来たばかりだった。
近くに住む住民:
サーフィンが好きでいらしたって言ってましたけど、すごくまだ若々しい感じ。スポーツ好きの方ね
近くに住む住民:
つなぎ着てやってたんじゃないですかね。庭仕事ということですね
また、亡くなった髙橋裕美さん(55)は、札幌市内のカフェで英語を教えていた。
亡くなった髙橋さんお勤務先:
教えるスキルが高いので、私も自分で上達したと思った。真摯で人の気持ちが分かる人で。だから本当に尊敬できます
高橋さんは2023年2月、地元の北海道のテレビ番組にも出演していた。
事故の多い現場 見通しの良い道路だが…
事故から一夜明けた現場では、見つかっていない豚1頭の捜索活動が行なわれていた。
また、事故現場となった道路脇には、花を手向けに訪れる人の姿が絶えなかった。
なぜ事故が起きたのか?
現場付近は緩やかにカーブしているものの、ほぼ直線。見通しが良いように見えるが、以前から事故が多発していたという。
住民:
ここ(道)が少し傾斜になっているのが見えますか?そういうような造りみたいなんです。本当に事故が多い現場です
「当社の車が…」トラック運行会社が謝罪
日本クリーンファーム 吉原洋明社長:
大変ご迷惑をおかけしまして、本当に申し訳ございません
19日の午後、トラックの運行会社が取材に応じ、謝罪。事故の原因は、トラック側にあるとの認識を示した。
日本クリーンファーム 吉原洋明社長:
映像を見る限り、当社の車がセンターラインをオーバーして、ぶつかったんだなということで認識しております
ドライブレコーダーの映像を見た交通事故鑑定人の中島博史氏は、事故原因をこう推測する。
交通事故鑑定人 中島博史さん:
トラックが、カーブに沿って曲がらなかったことが事故の原因だと思う。病気等によって意識を失ってしまった可能性と、居眠りやよそ見等で注意が不足している可能性が考えられる。バスは、衝突直線に後ろ側が浮き上がるほどの強いブレーキをかけていると思います。この道路構造だと、バスは逃げようがないので、他に対処のしようがなかった
警察は事故の原因を詳しく調べている。
(「イット!」6月19日放送分より)