児童手当の拡充や育休給付の引き上げなどを柱とし、財源として公的医療保険に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」制度の創設を盛り込んだ少子化対策関連法案が2日、衆院本会議で審議入りした。

法案に盛り込まれた児童手当の拡充では、所得制限が撤廃されるほか、現在0歳から中学生までの支給対象を、高校生年代まで延長し、第3子以降は3万円に倍増する。2024年10月の支給分から適用予定。低所得のひとり親世帯向けの児童扶養手当も、子どもが3人以上いる多子世帯の加算を増やす。

また、「共働き・共育て」を推進するため、育休給付を25年4月から両親が共に14日以上の育休を取った場合、最大28日間、実質10割に引き上げる。

時短勤務の新たな給付として、2歳未満の子どもを育てながら時短勤務をしている人に、賃金に上乗せして賃金の1割相当の給付金を支給する。

親が働いているかどうかに関わらず、子どもを保育所などに月一定時間預けられる「こども誰でも通園制度」を創設し、26年度から全国の自治体で実施する。

これらの政策を実施する財源としては、歳出削減での捻出などに加え、公的医療保険に上乗せする「子ども・子育て支援金」の創設を盛り込んだ。制度は26年度から始まり、徴収総額を初年度は6000億円、制度が確立する28年度には1兆円へ順次引き上げる。

これまで「月500円弱」としてきた負担額は、加入者1人あたりの平均で28年度に450円と試算された。

被保険者1人あたりの家族分も含めた平均負担額は、中小企業の「協会けんぽ」で700円、大企業の「健保組合」は850円、公務員らの「共済組合」は950円で、いずれも所得によって増減する。政府は、歳出改革と賃上げにより、所得と比較した負担率は上昇しないとして実質的な追加負担は生じないと説明している。

この制度により、子どもが生まれてから高校生までの給付額は、1人平均146万円増える見込み。

加藤鮎子こども政策担当相は2日の閣議後会見で、「支援金は全世代・全経済主体が子育て世帯を支える仕組みとして拠出をお願いするもの。給付拡充やそれを支える支援金制度の内容について、丁寧に説明していく」と述べた。

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