新型コロナと熱中症に「W警戒」の夏

首都圏では、多くの子供たちがいよいよ迎える夏休み。

今年は休校が長引いた影響で多くの学校が夏休みを短縮し、終業式が8月にずれ込んだり二学期が前倒しで始まるという地域もあるなど、例年とは違う夏休みとなりそうだが、今年は暑さ対策も大きな課題となっている。


東京・港区立白金小学校では、6年生のクラスで行われたお楽しみ会の鬼ごっこ中、しっかりと給水タイムを設けていた。

また、給水以外にもマスクについて、先生から積極的な声かけがされていた。

この記事の画像(5枚)

先生:
人と離れて給水してください。苦しい人、マスク外して。運動時なので、マスクは基本外しましょう。気になる人はつけてください。


この小学校では、文科省などのガイドラインに従い「運動中・登下校時はソーシャルディスタンスをしっかり取った上でマスクを外して」と子どもたちに指導しているという。


港区立白金小学校・吉野達雄校長:
「コロナが心配」というような子どもたちもいますので、子どもの気持ちに寄り添って対応しています。熱中症予防と言うところではマスクを外す、ただし感染症予防という観点ではマスクをつけるというところが、大変悩ましい。

熱中症による救急搬送数は、7月13~19日の期間に1337人、7月20~26日では3073人と、短期間で約2.3倍にまで増えるなど、熱中症のリスクが高まる中迎える、前例のない“マスク生活”の夏。

小児科医の種市尋宙医師は「感染が拡大傾向にある中で、子どもたちが自分でマスクを外すという判断を下すのは難しい」と指摘する。

富山市立学校 新型コロナウイルス感染症対策会議座長・種市尋宙医師:
通常、夏にマスクをすることなんて今までほとんど経験していないことなので、熱中症の方が明らかに危険です。(子どもは)いろいろなことに対して我慢してしまう傾向があるので、熱中症においては我慢とか強要というのは本当によくない。密閉空間にならないこと、距離をとることができれば、余裕をもってマスクを外してもらってもいい。

子ども用日傘「持ち歩ける影を常に近くに」

そんな中、注目されているのが「子ども用日傘」
傘の製造メーカー「小川」によると、去年と比べて60倍の売れ行きとなっているという。

傘の製造メーカー「小川」・藤田侑樹さん:
去年100本しか売れなかったものからすると、今年は5000本から6000本くらいは今の時点で出荷している。持った子どもたちに「すごく涼しい」と感じてもらえたので意義があったかなと。
“持ち歩ける影”として、常に近くに持って歩いていただきたい。


一部の小学校で実施されている「傘さし登下校」をきっかけに全国から注文が殺到しているということで、畳まずに袋に入れてランドセルに下げて持ち歩けるタイプが人気だという。



加藤綾子キャスター:
31日は近畿地方で梅雨明け、そして関東も8月1日には梅雨明けしそうですし、熱中症のリスクはますます高まってきますよね。

マーケティングアナリスト・原田曜平氏:
うちの子どもを見ても、「水飲め、水飲め」と日頃から言っているんですけど、遊びに集中しちゃうと忘れちゃうんですよね。日傘みたいな新しい商品が、ピンチをチャンスにしていっぱい出てきてくれると嬉しいです。

加藤綾子キャスター:
低学年の子どもは特に自分でマスクの着脱判断が難しいこと、そしてマスクをつけると飲み物を飲むのが億劫になってしまうということで、周りの方から積極的に声をかけてあげてください。


新型コロナの感染拡大と熱中症。
2つの危機が迫る異例の夏には万全の備えが求められる。

(「Live News it!」7月31日放送分より)