大阪大学の入学試験中に、試験官たちが大きな声で笑うなど談笑していたとする情報提供があり、受験生から“抗議の声”が上がっている。大学側は業務上必要な会話だったと主張している。

■「うるさかった」 大阪大学入学試験中に試験官が「談笑」か

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試験後に録音された大阪大学法学部の受験生の会話:
うるさかったよね。
俺もだいぶ正直うっとうしかったよ。
耳ふさぎながらやらなあかんかったしな。

試験に集中できなかったという受験生たち。当時、会場にいた受験生によると、25日、大阪大学法学部の入学試験の会場で、最終科目の国語の試験中に、4~5人の試験官が5分ほどの間、談笑していた。

大きな笑い声や「ばかばかしい」と話す声が聞こえたため、試験中に受験生の1人が「何の話ですか?」などと抗議したが、試験官は「試験に関係ないことなので気にしなくていいです」などと回答したということだ。

関西テレビの取材に対し、大阪大学は「受験生からの質問について対応を協議するため、2人の試験官が壇上で話したが、業務上必要な会話で、大声を出したり、笑ったりはしていない」と説明している。

■「謝罪と再試験を」と受験生 大学側は実施しない方針

試験終了後に録音された音声には、試験官側の説明と受験生たちの抗議の声が録音されていた。

大阪大学側の職員:打ち合わせを口頭でやりまして、周辺の受験生の人にうるさい思いをさせたのは、ほんと申し訳ないと思っています。

受験生:
その5分で、10点も20点も上がる人がいるんですよ。1年、3年、頑張ってきた人に、それはかわいそうだし、他の階(会場)の人と全然公正ではないと思うんですよ。
(声が)やまないなーって、でもやり直しがきかないかもしれないと考えたら、(試験を)そのまま続けるしかないじゃないですか。
謝って済む問題じゃないと思います。
一年間このために頑張って来たんですけど、こんなことになってがっかりです。
もみ消すわけないですよね、これだけ人がいたんですから。

この抗議に参加した受験生の1人は「公平性が保たれておらず、試験として成り立っていない」と話し、謝罪と再試験の実施を大阪大学に求めている。

一方、大学側は、「試験に大きな影響は及ぼしていない」として、再試験は行わない方針だ。

■食い違う阪大と受験生の“主張”

試験中に試験官が談笑するという信じられない話だが、受験生と大学側の主張は大きく食い違っている。

まず、受験生の主張は「4~5人の試験官がクスクス笑う程度ではなく大爆笑」としていて、「ばかばかしい」と話す声も聞こえた。試験官の談笑は5分間ほど続いたと訴えている。

一方の大学側は「受験生からの質問が3件あり、2名が対応を協議していた」として、あくまで業務上必要な会話だったという立場をとっている。

試験官など7名全員に聞き取りを行ったが、「笑ったり、大声はなかった」と説明し、再試験を行わない方針だ。

関西テレビの取材に応じた受験生は「人生がかかった大切な試験だったから本当に残念だ」と話す。

双方の主張は大きく食い違っているが、いずれにしても同じようなことが起きないよう対策を講じる必要がありそうだ。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月27日放送)

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