アメフト部で薬物事件のあった日本大学が、新たにラグビー部でも「大麻を吸ったとの噂」を聞いたものが5人いたとする報告書を公表した。
日大ラグビー部では、男子部員が、別の部員からスプレーにライターで火をつけ近づけられるなどの被害を訴え、警視庁が暴行の疑いで捜査をしている。
これについて大学は、12日にホームページで「事実であったと認定できる」との外部の委員会による調査結果を公表した。
報告書によると被害を受けた部員は「何度も『やめてください』と言ったのに、やめてくれなかった。3~4回程度火を向けられた」と話していて、委員会は「重大な問題行為」とし対応策を検討すべきと指摘している。
また、報告書では、ラグビー部員へのヒアリングで「大麻を吸っている者がいるという噂を聞いた者」が5人いたことも明かされた。
大麻を使用しているという噂の中には複数の現役学生の名前もあがったという。
また、「先輩(現役学生含む)から大麻使用を勧められた者」が1人いたほか、「コーチが使用した者を寮から出してかばった」などの話も報告された。
委員会はヒアリングの結果を受け「単なる噂というよりも、学生は寮生活での懸念として大麻の問題を捉えている」とした上で「最も守るべきなのは真面目に部活に励んでいる学生達である」と指摘した。
また、「事実上全員入寮させている以上、(大麻を)使用をしていない学生への誘引や強要といった学生の安全を害する事態や、犯罪行為についての「口止め」が強要されるおそれがある。現在の対応は真面目に部活動をしている学生をどう守るかという視点が十分でない」と厳しく指摘している。
さらに、委員会は「昨年度の卒業生は、2020年の大麻事件のとき1年生だったことを考えると、調査委員会が、事件を起こした個人の問題であり、ラグビー部には問題がないとした調査の内容についても再検討する必要がある」としている。