河野太郎デジタル相が、参院予算委員会での答弁の際にスマートフォンで検索を行い委員長から注意を受けたことについて、河野氏本人が謝罪する一方、与野党から擁護論や批判が出るなど、賛否が巻き起こっている。

河野大臣は、27日の予算委員会で、立憲民主党の辻元議員から「2019年3月19日にライドシェアの注意喚起があった。このときの外務大臣はどなたか」と質問を受けた。河野氏は答弁席に向かうと、スーツのポケットからスマホを取り出し「ちょっと確認します」と言って、10秒ほど操作。末松委員長から「スマホの使用はちょっと…」と注意され、「あ、ダメなんですね」とスマホを再びポケットに戻した。その後「ひょっとすると私かもしれない」と答弁した。

実際、当時の外相は河野氏だった。

参院事務局によると、委員会室でパソコンやタブレットを使用することはできるが、スマートフォンや携帯電話の使用は認められておらず、閣僚らは準備した答弁などを紙で用意している。

河野氏は一夜明けた28日の記者会見で「すいませんスマホ使っちゃったのは私のミスです。お詫び申し上げます」と陳謝した。

一方、国民民主党の玉木代表は会見で「個人的には紙で調べるのもタブレットで調べるのもスマホで調べるのも同じなので、それに対してなんで規制しているのか」と現行のスマホ禁止ルールに疑問を呈した。その上で「国会は古いので慣習慣例は大事だが、デジタル時代に合わせた新しいルール作りを速やかに行っていくべきだ。DXに後ろ向きだという国会からのメッセージは良くない」と河野大臣を擁護し、改革の必要性を訴えた。

玉木氏はさらに「実はけさ、小泉進次郎さんからも連絡をいただいた」と小泉元環境相から一緒に改革に取り組みたいとの呼びかけがあったことを明かした。そして国会でのWi-Fi使用禁止のルールにも疑問を呈した上で、「有志でデジタル機器の使用について、もう一段踏み込んだルールを明確に定めて、使用を解禁する方向でルールの見直しをすべきだ」と強調した。

一方、立憲民主党の小西洋之議員はSNSで「この問題の本質は委員長によるスマホ利用の注意ではなく、質問に意図的に答えずスマホ操作という不誠実な答弁姿勢を行ったことだ。自分が答えたくない国会質問を拒否し、質疑者をばかにする行為に及んだ国会否定(=国民否定)の暴挙ではないか」と投稿し、河野大臣を批判した。

河野大臣の態度に疑問を呈する意見に関しては玉木氏も「紙で見ても何しようが態度悪い人いるので、それとちょっと分けて、デジタル機器の利用について一定のルールを作ればいい。態度がいいかどうかは本人の問題なので」と述べている。

(フジテレビ政治部)

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