午後8時から放送の「BSフジLIVEプライムニュース」を、FNNプライムオンラインで同時配信でご覧いただけます。同時配信ページはこちらhttps://www.fnn.jp/live/primenews#3 12月27日(金)の放送は「2019日本政治の総決算 “安倍1強”盤石か? 風雲急…現役議員逮捕」

いわゆる元徴用工問題や輸出管理厳格化などを背景に日韓関係が戦後最悪ともいわれる中、安倍総理と文在寅(ムン・ジェイン)大統領の間で、およそ1年3か月ぶりに日韓首脳会談が行われた。会談の結果、両国関係に何らかの前進はあったのか。今回の放送ではその内容を丁寧に検証し、韓国国内における政局も踏まえた上で、今後の日韓関係の行方について議論を行った。

今回の日韓首脳会談、全体の評価は?

竹内友佳キャスター:
今回の日韓首脳会談が行われたことをどう評価しますか?

自民党参議院議員 松川るい氏:
両首脳が15ヶ月ぶりに会った。従来の「話もしない」という刺々しさではなく、次の対話への糸口ができたことはよかった。中身はそれほどなかったが。

恵泉女学園大学大学院 教授 李泳采氏:
問題解決を模索したいと両国首脳が示した。ただ文大統領は輸出規制措置の解除、安倍総理は徴用工の判決問題と、お互いが関心を持つ問題が違うことが明らかに見えた。

いわゆる元徴用工の問題。国益か“正義”か?

竹内友佳キャスター:
会談の大きな焦点となった、元徴用工問題についてのやりとりです。安倍総理は「根本原因は元徴用工問題にかかる韓国の最高裁判決。韓国側の責任で解決策を示してほしい」。文大統領は、日本側ブリーフィングによれば「問題解決の重要性は認識。早期解決を図りたい」、韓国・聯合ニュースによれば「行政府は司法府の判断に介入できない」。当局間の協議継続では一致しました。

元駐韓国特命全権大使 武藤正敏氏:
今まで言ってきたことそのまま。一歩も前進はないです。日本側ブリーフィングと聯合ニュースの内容は、実は同じ。韓国が歩み寄れる余地を残したいという意識が日本側にはあったのでしょう。韓国側は国内向けに、言うべきことを言ったと表明せざるを得なかった。

反町理キャスター:
元徴用工問題最高裁判決が根本原因という安倍総理に対し、文大統領のこの回答は事実上のゼロ回答では?

元駐韓国特命全権大使 武藤正敏氏:
司法府の判断に介入しないとしても、立法措置をとれる可能性はある。文喜相(ムン・ヒサン)議長案ではダメだが、韓国政府として旧朝鮮半島出身労働者に対してしかるべく補償をする、と立法措置をとれば解決になる。

元駐韓国特命全権大使 武藤正敏氏

恵泉女学園大学大学院 教授 李泳采氏:
韓国側からは、安倍総理の発言が日本国内向けの発言と見える。韓国側としては7月の日本の経済規制、報復措置が原因と認識している。文在寅大統領は、日韓関係の回復には、徴用工解決の前にホワイト国リスト復帰が必要と考えている。関係悪化の原因について、文大統領と安倍総理の見解が違う。

自民党参議院議員 松川るい氏:
今回は立場が180度違っても、関係維持の第一歩としてはよかった。しかし韓国での四月の選挙や日本側資産の現金化など、見通しが明るくないのも事実。ここに期待するよりは、北朝鮮をめぐる北東アジア情勢の問題をふまえ扱っていくこと。協力していくためにどこかで解決策を見つけなければ、とお互いが言わないと。

元駐韓国特命全権大使 武藤正敏氏:
しかし難しい。出口はお互いの国益にならなければ見つからない。原則論では出口は見えない。日本側は、譲歩すれば韓国は未来永劫要求してくるから譲歩をしないと、これは国益に沿った対応。北朝鮮問題やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)で協力していこうとも言っている。しかし韓国が言うのは輸出管理の問題だけでしょう。韓国は「法の上に正義がある」という前提で来る。

恵泉女学園大学大学院 教授 李泳采氏

恵泉女学園大学大学院 教授 李泳采氏:
これは国益の問題ではない。日韓両国が放置してきた人権の問題。

反町理キャスター:
やっぱり“正義”なんだ。

恵泉女学園大学大学院 教授 李泳采氏:
歴史問題を長期的に見ると、解決された方が日本にとっても国益になる。今まで冷戦期以来、アメリカの影響下で韓国も日本も問題を放置し続けた結果、対立に至っている。最後のチャンスだと思うなら、文喜相議長案しかない。ここは国益の論理は棚上げにして、お互いに人権問題として十分に解決出来る問題との認識を持つ必要がある。

元駐韓国特命全権大使 武藤正敏氏:
お互いの立場がものすごく違い、折り合うのは難しい。

日本の韓国に対する輸出管理厳格化について

日本の韓国に対する輸出の管理厳格化について、文大統領は「7月1日以前の水準に回復をしなければならない」、「日本が自発的な措置をとったことはそれなりの進展であり対話による解決に誠意を示したと評価する」と発言。

恵泉女学園大学大学院 教授 李泳采氏:
この進展が文在寅大統領にとっての会談の目標であり、ホワイトリストへの原状復帰まで進めば大成功。そこまで行かないのはわかっていて、日本が緩和措置をとったことは認めるが、まだまだ足りないと発言している。

自民党参議院議員 松川るい氏:
文大統領の発言は国内向け。国内の一番の関心事だからそう言わざるを得ないし、さらに求めるとも言うでしょう。日本が輸出管理当局として安全と判断すれば回復するのは当たり前だから、それに向けて韓国も努力すればよいだけ。私は心配していません。

自民党参議院議員 松川るい氏

反町理キャスター:
「評価する」と言って見せているようなことには、いちいち反応しない方がいい?

自民党参議院議員 松川るい氏:
そんなことに目くじらを立てる必要はない。選挙前の大統領が国内向けにそう言うのは当然。

反町理キャスター:
あえて伺うが、目くじらを立てる必要はないというのは韓国だからですか?

自民党参議院議員 松川るい氏:
韓国に対してこれくらいは織り込み済みだろう、と私は思います。

“対中国”の姿勢、日韓の違いは?

元駐韓国特命全権大使 武藤正敏氏:
中国と韓国でブリーフ内容が違った。韓国では香港の民主化運動への支持が強いから、この発言は韓国国民に知られたくなかった。この中国のブリーフを多く報道した日本に対して怒っている。

反町理キャスター:
なぜ日本に怒るんですか?

元駐韓国特命全権大使 武藤正敏氏:
中国に対して怒るべきですよね。

自民党参議院議員 松川るい氏:
中国が怖い、顔色を伺わないと難しいのだろうなと。

恵泉女学園大学大学院 教授 李泳采氏:
米朝関係が膠着する中、韓国は中国の力を借りて北朝鮮の抑止をしないといけない立場です。戦略的な提携です。文在寅大統領は意外と、イデオロギーというよりも現実的側面を見ているといえる。日本も来年には習近平主席の国賓来日を予定しており、中国を十分に意識している。

反町理キャスター:
安倍総理の発言を見ると、日韓の姿勢はまったく違うのでは? ウイグルや香港についても、“正義”の部分において日本は譲っていないように見える。米中貿易戦争でも、これから中国側に入っていくという姿勢では。

恵泉女学園大学大学院 教授 李泳采氏:
そこまで解釈する必要はない。日中韓の政策の中で、お互いの共通点探し協力しましょうということ。韓国も中国に恐怖心はあるだろうが、日米韓から離れるわけではない。地政学的にも知恵を絞らなければならない立場。韓国の安全保障上、中国への経済的依存度とその脅威は無視できない。

反町理キャスター:
揺れているようにしか聞こえない。

(BSフジLIVE「プライムニュース」12月24日放送分より)