被害地域は予想と一致

7月4日未明の豪雨で甚大の被害が出た熊本。

国土地理院が公開した球磨川沿いの浸水地域を示した図は、氾濫による被害予想範囲などを示したハザードマップとピタリと一致している。

予想されていたにも関わらずなぜこれほど被害が大きくなったのか。

防災システム研究所 山村武彦所長:
想定外の大雨が降ったという、色々悪条件が重なったことが今回の悲劇を呼んだと思います。

防犯カメラに記録された「猛烈な雨」

気象庁が熊本・鹿児島両県に命を守る行動を呼びかける「大雨特別警報」を発表したのは午前4時50分。午前4時の時点では特別警報の基準に達しておらず、その後のわずか30分ほどの間に一気に発表の基準を超えたという。

熊本県人吉市にある、球磨川から70m離れた場所にある防犯カメラの映像では、4日午前6時51分、茶色く濁った水が押し寄せる様子が見て取れる。

そして16分後、水が見る見るうちに増え、車も流れてきた。さらにもう一台の車も流れてきて、防犯カメラの真下に激突した。

午前7時10分、水が流れこみ始めてからわずか20分の間に1階が完全に水没した。

浸水被害にあった人:
あれあれあれという間に増えてきた

この日気象庁が会見を行ったのは大雨特別警報の発表から1時間10分が経った午前6時ごろだった。

記者:
前もって何か出せなかった?

気象庁
特別警報が避難のトリガーではなく、我々としては(避難準備)警報を出しておりますし土砂警戒情報を出しておりまして、順番をへて避難に繋がる行動を取るための呼び掛けを常にしております。

気象庁の会見(4日午前6時ごろ)

この会見と同じ頃、球磨川の氾濫により特別養護老人ホーム「千寿園」の施設内に濁流が流れこみ高齢者たちを襲った。

「未明」の警報で避難できず

専門家は想定外の大雨に、未明の大雨特別警報という悪条件が重なったと指摘する。

防災システム研究所 山村武彦所長:
悪い条件の一つに「深夜」というのもあったかもしれない。昼間だったら周りの人も一緒になって(避難を)手伝って、もっと大勢の人が手伝ったかもしれない。

被災者の多くが避難所ではなく、自宅の2階などなるべく高いところに移動する「垂直避難」を余儀なくされた。

上の階に避難した住民:
これはやばいなと思って、上(の3階)の方へ上がった。出られなかったから、避難所にいく暇なんかなかった。自分で判断した方が一番いい。

今後の防災ポイントは「近所」

甚大な被害を出した熊本豪雨。専門家に今後の防災における重要なポイントを聞くと、

防災システム研究所 山村武彦所長:
これからの防災は近所がキーワード。夜間や未明に大雨が降るとわかっていた場合には隣近所で声かけあって助け合うしかない。もう一つは早い段階で避難することになる。

(「Live News it!」7月6日放送)