「食い違っていない」と遮る男性の声。9月12日に千葉県市原市の中学校で部活の練習中に倒れ、その後亡くなった男子生徒の母親と、学校側の電話での会話を入手した。

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母親:
(学校側に)お話ししてきたと思うんですね。その時の話と食い違って…。

学校側:
結論的には食い違っていないです。

母親:
食い違っていないんですね。

学校側:
結論的には食い違っていないです。

嘔吐した生徒に対し「汚い」と放った職員 学校側の説明は

男子生徒が亡くなった経緯をめぐっては、10月2日に行われた保護者説明会が紛糾。

保護者側が「その場にいない人たちが事務的な動きをしたって、みんな納得しないと思うんですけど」と問うと、学校側は「事務的ではなく、しっかりと改善につなげていく形」と答えた。

男子生徒は9月12日に倒れ、9月27日に亡くなった
男子生徒は9月12日に倒れ、9月27日に亡くなった

そうした中、男子生徒の母親が今回初めて、「イット!」のカメラの前でその悲痛な胸の内を語った。

亡くなった男子生徒の母親:
(息子は)すごくいい子でした。もうちょっと適切な処置ができたのでは、としか思えないです。なんで…うちの息子なのかなって。

「すごくいい子でした。なんで…うちの息子なのかなって」
「すごくいい子でした。なんで…うちの息子なのかなって」

息子が倒れてから1カ月。学校に対しこんな言葉も。

亡くなった男子生徒の母親:
不信感しかなくて。何を一生懸命話しているのかも分かりませんし、別に状況を説明できるわけでもない。

理由の一端となっているのは、嘔吐した生徒に職員が「汚い」と放った暴言について、学校側が「把握していない」ということ。保護者説明会では、次のようなやり取りがあった。

「顧問がそのような発言をしたと聞いた」という問いに対し、学校側は「すみません、把握しておりません」と回答
「顧問がそのような発言をしたと聞いた」という問いに対し、学校側は「すみません、把握しておりません」と回答

保護者側:
当該の生徒の嘔吐物に「その汚いものをどうするんだ」という発言を(顧問が)したと聞きました。

学校側:
こちらはすみません、把握しておりません。

しかし、母親は生徒が救急搬送された直後、駆けつけた病院で学校職員からこう説明を受けたという。

生徒が搬送された病院で、学校職員からこう説明を受けたという
生徒が搬送された病院で、学校職員からこう説明を受けたという

亡くなった男子生徒の母親:
「汚いから、そのままの状態では保健室に行けないでしょう」と。(付き添っていた職員)本人が言っていた。

その後、学校側が保護者に配布したプリントでは、職員は汚れていることを優しく諭したのであって、暴言ではなかったと説明している。

遺族が見ないまま“経緯プリント”を配布

この配布をめぐり、母親は学校側と電話でこんなやり取りをしていた。

学校側:
お母さんに何らかの形で見ていただいて、ご了承いただけたら一番いいんですが。時間については、明日またご連絡差し上げることでよろしいですか?

亡くなった男子生徒の母親:
あ…わかりました。

職員は汚れていることを優しく諭したのであって、暴言ではなかったと説明
職員は汚れていることを優しく諭したのであって、暴言ではなかったと説明

翌日、男子生徒の母親は体調が優れず外出できなかったため、学校側に「プリントをポストに入れてもらえれば確認します」と伝えた。しかし、プリントがポストに入れられた際には、学校の校長名義で「事前に見ていただいていないにもかかわらず配布に至りましたこと、併せて深くお詫び申し上げます」と書かれた手紙が添えられていた。

「事前に見ていただいていないにもかかわらず配布に至りましたこと、併せて深くお詫び申し上げます」と書かれていた
「事前に見ていただいていないにもかかわらず配布に至りましたこと、併せて深くお詫び申し上げます」と書かれていた

なんと、プリントをすでに配布していたことを謝罪するものだったのだ。

亡くなった男子生徒の母親:
(学校側から)連絡すると言っていたので、先に配布するのは(理由が)よくわかりません。先に保護者の方たちに説明する、納得いかなかったです。

市原市教育委員会は、学校側からは「母親の了承を受けてプリントを配布した」と聞いていて、確認するとしている。

校長の発言、謝罪の手紙…募る不信感

さらに母親は、男子生徒の搬送後の対応をめぐっても学校側に不信感を募らせる。

医師から「心臓の周りの筋肉が、他の同年代の子よりも硬くなっている。何らかの状況の変化によるものかもしれない」と言われたことを校長に話すと…
医師から「心臓の周りの筋肉が、他の同年代の子よりも硬くなっている。何らかの状況の変化によるものかもしれない」と言われたことを校長に話すと…

亡くなった男子生徒の母親:
病院の先生から言われたのは、息子の心臓の周りの筋肉が、他の同年代の子よりも硬くなっていて、何らかの状況の変化でこうなってしまったかもしれませんと。というお話しを(校長に)したところ、「じゃあ持病はあるんだったら、お母さん、学校のスポーツ保険は使えないかもしれません」って言われて。なんでこの場で言うのかなと、正直思いました。

母親によると男子生徒に持病はなく、熱中症などの影響が心臓に出ていたかは現在も不明のままだということだ。それでも…。

校長は男子生徒の葬儀の場で、母親に「心臓に何か病気があったのでしょうか?」と尋ねたという
校長は男子生徒の葬儀の場で、母親に「心臓に何か病気があったのでしょうか?」と尋ねたという

亡くなった男子生徒の母親:
保護者会の日が、私の息子の2日目の葬儀だったんです。身内だけの。そこに校長先生がいらして、始まる15分前くらいに「お母さん、お話しがあります」と言われ、「保護者会を開くことになったけど、直接の死因は何だったんでしょう。心臓に何か病気があったのでしょうか?持病があったとか?」「いや、ないと思います」って。

市原市教育委員会によると、学校側は全生徒と家庭を対象としたアンケートを実施。

学校側は全生徒と家庭を対象としたアンケートを実施し、内容を精査しているというが…
学校側は全生徒と家庭を対象としたアンケートを実施し、内容を精査しているというが…

現在内容を精査しているというが、亡くなった男子生徒の母親は「(生徒たちの)声が先生によって消されてしまうのかなと思う。先生方がうまいことプレントにしたり、きれいな言葉を並べてて、本当のことを私は言っているとは思いません」と話した。
(「イット!」10月12日放送)