罵倒の言葉で埋め尽くされたLINEのトーク画面。発信者には、ビッグモーターの前副社長、兼重宏一氏の名前があった。

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(LINEのメッセージより)
「次の車も決めずに、『フェアーなんで来てください!』で呼び込む???
死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑」

実に18回も「死刑」を連呼し、社員を叱責。

別のトークでも、宏一氏は「教育」や「死刑」を連呼していた。

父の一言がきっかけ…“絶対的存在”へ

各店舗の清掃状況などを点検する環境整備などを取り仕切り、社内では宏行前社長にも劣らない権力者になっていたとされる長男の宏一氏。

九州地方のビッグモーターに勤務していた元社員は、宏一氏が絶対的な存在へと上り詰めるきっかけをこう指摘する。

元社員:
半年に1回、表彰式というのがあるんですよ。その表彰式の場で社長自ら彼(宏一氏)に会社を継がせたいと思ってるというのが1回あったんですね。

以前、ビッグモーター社員らが一堂に会する場で、長男の宏一氏を後継者にしたいと語ったという兼重前社長。そこから宏一氏の横暴ぶりが目に余るようになったと元社員は話す。

元社員:
彼(宏一氏)を次期社長にしたいと思ってるって(社長が)宣言しちゃったから、やっぱりそこについて行く取り巻きたちがチヤホヤするわけですよ。まあ、それに味を占めたのか、高圧的な人事異動や店長に対するパワハラ的な発言とか、そういったのが増えていたという印象ですね。

店舗の現場では、宏一前副社長の高圧的な振る舞いに恐怖を感じながらも、不満もたまっていったという。

元社員:
現場の社員からしたら、現場に入ったこともない、店舗のスタッフともまともに話したこともない人間に何がわかるんだって。

関東地区の店舗で店長を務めていた人物も次のように話す。

元店長:
なんでお前に言われなきゃいけないんだみたいな。社長が宏一さんのことをかなり過保護にしてたかなっていう。

高評価口コミの投稿を指示か

宏一氏の副社長就任を機に、ビッグモーター社内で歪みが大きくなっていった企業風土。さらに新たな疑惑も浮上している。

元社員の一人は、上層部からの指示を受け、店舗への高評価の口コミを一般客を装い投稿していたと証言する。

元店長:
店舗のグーグルアカウントとかあると思うんですけど、とりあえず「星5」つけたりとかして、よく見せるようにはしていました。家族だったり友人に(高評価の口コミを)頼んでいる人もいた。

日々明らかになる、ビッグモーターの内情。信頼回復に向けた道筋はまだ見えていない。

(「イット!」8月2日放送より)

※FNNでは「ビッグモーター不正問題」を継続取材しています。情報提供してくださる方は、ぜひこちらまでご連絡ください。

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