首相が3カ月ぶりに会食、その相手は…

日曜に約5カ月ぶりとなる休日を自宅で過ごし英気を養った安倍首相。その前の19日金曜日の夜、東京港区にある虎ノ門ヒルズ51階の高級レストランを訪れ、3カ月ぶりに夜の会食を解禁していた。

そのお相手は盟友の麻生副総理、菅官房長官、そして自民党の甘利税調会長。ここで話題に上ったのではと臆測を呼んでいるのが、衆議院の解散総選挙だ。

実は安倍総理は3年前、2017年の7月にも同じメンバーと会食。その2カ月後に解散に踏み切ったことから、この秋の解散総選挙が取り沙汰されている。

永田町で吹き始める”解散風”

自民党森山裕国対委員長(20日 鹿児島市):
今年はまた、ひょっとしたら、衆院選挙があるかもしれません。

自民党幹部も口にした「選挙」の2文字。菅官房長官は会見で。

--国会が閉会して長官ご自身は解散をめぐる雰囲気の変化を感じていますか。

菅官房長官:
私は全く感じていません。

菅長官はこう述べたが、求心力の低下がささやかれる安倍政権が局面打開のために解散に踏み切るのでは、との見方はじわじわと広がっている。

さらに20日のインターネット番組で、橋下元大阪市長から、「国会で憲法改正の議論を進めるため解散総選挙をぜひやってほしい」と進言された安倍首相は「政治をしっかりと前に進めていくために必要とあらば、ちゅうちょなく国民の声を聞きたい」と話し、解散を否定しなかった。

物議を醸す「教えて!もやウィン」

その憲法改正をめぐりいま物議を醸しているのが、自民党広報のツイッターアカウントが公開した4コマ漫画、その名も「教えて!もやウィン」。

自民党広報公式ツイッターより

19日に公開するとその内容に批判の声が殺到した。

生物進化論の提唱者チャールズ・ダーウィンの名前をもじったとみられるキャラクター「もやウィン」。4コマ漫画ではこう力説している。

「私はもやウィン、ダーウィンの進化論ではこう言われておる」(1コマ目)

「最も強い者が生き残るのではなく 最も賢い者が生き延びるのでもない。」(2コマ目)

「唯一生き残ることが出来るのは 変化できる者である。」(3コマ目)

と得意げにいうと、最後のコマで

「これからの日本をより発展させるために いま憲法改正が必要と考える」(4コマ目)

なぜか唐突に憲法改正の必要性を訴えた。

「ダーウィンはそんなこと言っていない」

これにはネット上で「ダーウィンと憲法改正を結びつけるのは無理がある」などの指摘が相次いだ。さらに専門家からも。

東京農業大学 三中信宏客員教授:
3コマ目が一番問題で、「生き残ることが出来るのは変化できる者である」と書いていますね。ダーウインはそんなことは言っていないわけです。

三中教授によると、これは誤った引用に基づく有名な誤用表現。ダーウィンが提唱したのは”集団の進化”であって、漫画ではそれが3コマ目で”個人の変化”となり、最終的には憲法の変化に置き換わっていると指摘している。

東京農業大学 三中信宏客員教授:
ダーウィンの進化論というものを誤って使っているというか、歪曲して使っている、論理的にはフェイクっていうしかないと思うんです。

では自民党はなぜこの4コマ漫画を作成公開したのか。

自民党広報は「4コマ漫画を採用しましたのでSNS上での読みやすさを意識しました。憲法改正について幅広い方々にお考えいただく機会となればと考えています」とコメントしている。

解散となればその大義の説明を

加藤綾子キャスター:
そもそもダーウィンの進化論を持ってくるのはちょっと無理があるのかなという印象もあるんですけれども。ここに来たのは解散風についてはいかがですか。

風間 晋解説委員:
迎え風が強いときは解散風という追い風を作るということかと思うんですけど、そうなると衆院議員は反射的に自分の再選最優先ギアが入ってしまうわけですよね。
でもそもそもの争点は何なのかなというところが気になるところで、それって衆院議員が有権者から託された4年の任期を断ち切るほどのものなのかってちょっと想像がつかないですね。

加藤綾子キャスター:
もし解散する場合、その大義っていうのをどう説明するのかというところも気になります。

風間 晋解説委員:
国民と国にとって大切なことでなきゃおかしいですよね。

(「Live News it!」6月22日放送)