長野市でソーラーパネルの販売などをしていた会社の元社長が顧客から200万円をだまし取った詐欺事件の初公判が開かれ、被告が起訴内容を認めた。関係者によると、同様の手口で他にも金をだまし取っていて被害件数は約50件・被害総額は1億5000万円にのぼる見込みだという。被害を訴える男性は少しでもお金を返してほしいと話している。

長野地方裁判所(6月12日)
長野地方裁判所(6月12日)
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被告は起訴内容認める

詐欺の罪に問われているのは長野市でソーラーパネルの販売などをしていた元社長の田中一明被告(39)。

起訴状などによると、田中被告は2021年5月、「蓄電池を仕入れすぎてしまい支払いが出来ない」「1週間以内に売掛金が入るので、それで絶対に返せる」などとうそを言い、顧客だった長野市内の男性(50代)から会社の運転資金名目で現金200万円をだまし取ったとされている。

被告は長野市でソーラーパネルなど販売 当時の事務所
被告は長野市でソーラーパネルなど販売 当時の事務所

6月12日、長野地裁で開かれた初公判で裁判官から間違いがあるか聞かれた田中被告は「ないです」と起訴内容を認めた。

検察「闇金から借金、ギャンブル」

検察は12日の裁判で被告が経営していた会社は2019年ごろから売り上げが落ちて、いわゆる「自転車操業」状態に陥り、闇金からの借金が返済できなくなっていたと指摘。

借金の返済や会社の運転資金に充てるためギャンブルで金を増やそうとしたものの利益は出ず、顧客に対し「返済のあてがある」などとうそを言い、金をだまし取るようになったとした。

田中一明被告(39)
田中一明被告(39)

被害総額は1億5000万円ほどか

関係者によると、被告は同様の手口で他にも金をだまし取っていて被害件数は約50件・被害総額は1億5000万円にのぼる見込みだという。

ソーラーパネルの代金として650万円をだまし取られたと被害を訴える男性も12日の裁判を傍聴し、NBSの取材に「刑事罰もだが心底、更生してもらって、被害を受けた人に少しでもお金を返す誠意を見せてほしい」とコメントした。

検察は余罪について7月上旬にも追起訴する方針で、次回の公判は8月21日に開かれる。

(長野放送)

長野放送
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