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日東電化工業株式会社は、「防食めっき」という金属表面に錆びない皮膜を施す表面処理メーカーとして1959年に創業しました。以来、多くの自動車や家電製品の部品に私たちの技術をご採用いただき、日本製品のものづくりの一端を担ってきました。


私たちは長年培った化学の豊富な知識をさらに活かすべく、2004年よりヘルスケア事業を開始、スキンケア製品の製造・販売をおこなっています。また2023年からは食を通して内側からの健康もサポートしたいという思いのもと、テーブルウェアブランドやレストランも手掛けるようになりました。


金属表面処理加工の技術を活かしつつ、さまざまな事業を展開してきた日東電化工業。その事業の変遷、ものづくりにかける思い、これからの展望について、専務取締役でありヘルスケア事業部CEOを兼任する茂田正和のコメントを交えてお伝えします。


めっき加工から始まった、日東電化工業創業〜発展のストーリー

日東電化工業株式会社は、金属が錆びてしまわないよう表面に加工を施す「金属表面処理加工業」として1959年に創業。創業者は、現在の専務取締役 兼 ヘルスケア事業部CEO茂田正和の曽祖父にあたる茂田源太郎。日東電化工業の前身である群馬鍍金工業株式会社時代には日本全国鍍金工業連合会の7代目の会長を務め、1960年からは家電照明部品の亜鉛めっきを手がける東芝の協力工場として操業を開始しました。


“金属表面処理加工”一般の方には聞き慣れない言葉だと思いますが、これはいわゆる“めっき処理”のことで、日東電化工業が加工する製品は、自動車部品、OA部品、家電部品など多岐に渡ります。1970年代には国内でもいち早くめっき処理の自動機を導入、自動車のエンジン部品をメインに手がけるようになり、バブル期の自動車産業の隆盛とともに部品製造に邁進しました。そして現在にいたるまで、「金属を錆びさせない」ことにフォーカスして多くの皆さまの生活に貢献してきました。


「ミネラル」を活用するノウハウを活かし、ヘルスケア部門を立ち上げ

「金属表面処理加工とは、「金属イオン」つまり「ミネラル」を活用する技術です。私たちは創業以来、そのミネラルを研究し続け、金属表面処理加工以外にもそのノウハウを活かすことができないか探究してきました。折しも、日東電化工業に入る以前の私もまた、2001年より化粧品開発者の道に進み、温泉に含まれるミネラルを活かした化粧品の開発事業をおこなう企画会社を営んでいました。」


茂田が化粧品開発に関心を抱いたきっかけは、母が交通事故による精神的ストレスから皮膚疾患に悩み、一切の化粧品を使えなくなった事でした。また以前より、大学で皮膚科学の研究に従事する叔父より「アトピー性皮膚炎は温泉での湯治で改善するケースが非常に多い」といった話を聞いており、スキンケアに高い関心を寄せていました。


小さなラボもあった茂田の企画会社では、全国の温泉水のミネラル成分表を取り寄せてリサーチ。試行錯誤の末に完成した敏感肌にも安心して使えるスキンケアは、母の肌の調子を上向かせました。そして、評判が徐々に広まりつつあった2004年に日東電化工業と業務を統合、日東電化工業株式会社 ヘルスケア事業部の設立となりました。



受動的売上から能動的売上へ。新たな部門から挑戦が始まった

茂田はヘルスケア事業部立ち上げ当時のことをこう振り返ります。


「めっきメーカーである日東電化工業は、ずっとB to Bでの事業が主体でした。つまり自動車メーカーからの部品製造など、どれだけ元請けが受注を取れるかで売り上げが左右されてしまうのです。景気が傾き新規を取ることが難しくなっていく中で、どんなに自分たちが頑張っても直接的な売上に繋がらない。受動的な事業の在り方に長らく違和感を持っていました。」


茂田は、受動的売上から能動的売上に移行するには、B to C寄りの事業である化粧品づくりがキーとなるかもしれないと考えました。しかし、事業部立ち上げから約十年間は、販売チャネルの大半を量販店などの外部環境に委ねていたため、伝えたい商品の特徴をちゃんとお客様に伝えられない状況が続きました。


「化粧品は、使うと肌がどう変わるか、続けるとどんな豊かさがもたらされるかをきちんと伝えなくてはなりません。皮膚科学に基づいた思想を込め、真摯に化粧品を作っていても、量販店のPOP1枚でメッセージを伝えきることはできません。そういったフラストレーションが続いた末、ついに製造だけでなく販売店までを日東電化工業で手がけたい、と思うようになりました。」


皮膚科学をベースにしたスキンケアブランド「OSAJI」、製造から販売まで自社でおこなう

外的環境に委ねる体制から、自助努力が反映されやすい内的環境に委ねる体制へ。日東電化工業は、めっき業で排水処理などのノウハウも得ていたため、化粧品の製造から担うことが可能であり、同時に販売業の許可も得ていました。


そうして化粧品事業の基盤と想いの高まりが揃い、2017年にスキンケアライフスタイルブランド『OSAJI(オサジ)』を設立、茂田はブランドディレクターに就任しました。販売は、実店舗およびオンラインショップにて、すべて自社でイニシアチブを取りおこなっています。




「『OSAJI』というブランド名は、江戸時代、大名や将軍に仕える医師を、匙を使って薬を調合するすがたになぞらえて呼んだ「お匙(おさじ)」に由来しています。皮膚が体の免疫を司る重要な器官と考えられる今、スキンケアの役割は美容のためだけのものにとどまりません。『OSAJI』は健やかで美しい皮膚を保つためのライフスタイルをデザインする、現代の「お匙」でありたいと考えます。」

化粧品だけでは届かない、持続可能な健やかさを実現するには

茂田が化粧品事業においてこれまで最も重視してきたことは、皮膚科学です。つまり、「どんな化粧品を作るか」が先ではなく、「皮膚は、どんな仕組みで働いているか」が最優先です。皮膚はどのような構造をしていて、どういった機能があり、どう健康と美しさを保っているか。その機序につねにフォーカスしながら、皮膚が本来求める化粧品作りを追求してきました。


「化粧品開発者となった当初から、安全性や効果効能の裏付けとなるエビデンスとロジックがしっかりしていて再現性を取れることに確固たるこだわりを持っていました。ただそれでは、科学的、物理的な側面が満たされるのみです。『OSAJI』のブランドディレクターとなってからは、さらに精神的な側面も満たしていくにはどうすれば?体も心も、というところをより綿密に考えるようになりました。」


科学と感性の両輪によって、OSAJIは従来の化粧品業界のやり方にとらわれずに成長しました。製造はもちろん販売まで自社の采配でおこなう、究極の自己責任型ビジネスへの転換によって、茂田の中にあった事業への違和感はなくなっていきました。他方で、スキンケアやメイクを通じてはもちろん、香りや食の体験をきっかけにブランドのファンになってくださる方の多さも実感しています。



「皮膚科学の視点に立って化粧品づくりを極めようとした結果、やはり食べたものが体を、ひいては肌を作っているのだから、化粧品でのアウターケアのみで全てを良くするには限界があるという事実に行き着きました。その人のトラブルを本当にどうにかしたい、肌の質を改善したいならば、化粧品でのアウターケアと併せて、食べ物、食習慣、食生活によるインナーケアをおこなうことが必要不可欠です。ならば、これからの私たちはそこをきちんとアドバイスできるブランドを目指したい。アウターケアとインナーケアが揃い、そこにお客さま自身の力が掛け合わされば、持続可能な健やかさが手に入れられると考えています。」


人間味や人情味を大切にした作り手であること、それは自ずと利他的なものづくりとなる、茂田のこうした考え方は、日東電化工業ヘルスケア事業部の取り組みの背骨といえます。

食事を通してインナーケアを。利他の心でテーブルウェアブランドまで手掛けるように


健康と食の関係性を重視する日東電化工業 ヘルスケア事業部。その意思がかたちとなって2023年に誕生したのが、“めっき処理”の技術を活かした直火可能なテーブルウェアブランド『HEGE(ヘゲ)』です。同時に、茂田プロデュースのもと『HEGE』の器で旬の食材や体にやさしい粥をサーブするレストラン『HENGEN(ヘンゲン)』(東京・北上野)もオープンしました。


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『HEGE(ヘゲ)』は、再生可能資源であるアルミにアルマイトという表面処理加工を施したアルミの器です。熱伝導性に優れ、直火にかけて調理器具としてすることができ、そのまま食器としても活用できます。忙しくて自炊をつい諦めてしまう人、子育て中の人など、時間的な制約があったり、アウトドアなどの場所的な制約があっても料理をすぐに美味しく温かく食べられるよう工夫を凝らしました。



「現在、日東電化工業 ヘルスケア事業部はOSAJIを核に展開を広げる第二フェーズに入りつつあります。これからの会社の存続にとって重要なのは、どれだけ“利他の心”でものづくりをできるかだと思っています。今後は、ひとつの事業を開発し、その事業だけで年商100億を目指すようなビジネスではなく、分社化ないし事業部として、細分化したブランチが集合した状態で日東電化がグループとして成立する、という形を目指していきます。そのようにして多様性に柔軟な企業体となっていくことで、多様性社会のひとつの受け皿になれたらと考えています。」





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