「性欲を満たすためにやった」「侵入して体を触りたかった」

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建造物損壊の疑いで、26日に送検された、無職・針谷啓太容疑者(43)。

針谷容疑者は、3月14日、1人暮らしの20代の女子大学生の部屋に侵入。わいせつな行為をした疑いで、すでに逮捕・起訴されていました。

警察の調べによると、2022年4月から2023年3月14日までの約1年間、女子大学生の隣に住んでいた針谷容疑者の親族の部屋を利用して、のぞき行為などを続けていた可能性が浮上。

針谷容疑者は、親族に無断で合鍵を作り、何度も部屋に出入りしていたとみられています。

埼玉県警は押収物など、事件の詳細を公開しました。

「めざまし8」は公開された情報から、屋根裏の状況を検証。
さらに、近所の人の証言から、容疑者が犯行に利用したとみられる“ある趣味”もみえてきました。

親族の部屋を利用…恐るべき犯行の手口

警察が公開した、犯行現場の屋根裏の写真。

女子大学生の部屋と、隣に住んでいた針谷容疑者の親族の部屋との間にあった壁の一部が破壊され、人が通れるほどの穴が空けられていました。

針谷容疑者は、親族の部屋の浴室にあった、天井裏の配線などを確認するための「点検口」から屋根裏へとのぼり、破壊した壁を抜けて女子大学生の部屋の上に移動。

点検口から屋根裏へあがり
点検口から屋根裏へあがり
間にあった壁を破壊し、被害女性の部屋の天井に
間にあった壁を破壊し、被害女性の部屋の天井に

屋根裏からは、高さ2mの“手製のはしご”が見つかっており、このはしごを使って、女子大学生の浴室の天井から降り、何度も部屋に侵入していたとみられています。

手製のはしごを使って被害者の部屋の浴槽に侵入したとみられる
手製のはしごを使って被害者の部屋の浴槽に侵入したとみられる

さらに、天井に開けられた、 わずか2mmほどの“小さな穴”。

天井にあけられた2mmの穴
天井にあけられた2mmの穴

屋根裏からは小型カメラが見つかっており、針谷容疑者は、この小さな穴から女性の生活をのぞき見ていたとみられます。

「気さくな人柄」趣味の“DIY”を犯行に悪用したのか?

警察の調べに対し、「体を触るために(壁を)壊した」「親族から『かわいい女性がいる』と聞いた」と容疑を認めている針谷容疑者。

現場アパートから約50㎞離れた、茨城県古河市にある容疑者の自宅を取材すると、容疑者は妻と子供が3人おり、「気さくな人柄」だったといいます。

近隣住民:
DIYというんですかね。もの作りが多分、好きだったんじゃないかなと思います。そこのブロック塀とかも自分で全部やられていましたし。

容疑者が作ったとみられるブロック塀
容疑者が作ったとみられるブロック塀
押収された数々の工具
押収された数々の工具

さらに、現場となった屋根裏からは、多くの工具が押収されたほか、自らはしごを作り、浴室の点検口を開けやすいよう、取っ手まで付けていたといいます。

浴槽へとつながる点検口に、「取っ手」が付けられている
浴槽へとつながる点検口に、「取っ手」が付けられている

検証・屋根裏の様子 “のぞき”への対策は?

予期せぬ、屋根裏からの侵入者…。一体、どのような対策が必要なのでしょうか。

「めざまし8」は、事件が起きたアパートとは別ですが、昭和50年代に建てられた木造アパートの屋根裏に許可を得てカメラを入れ、犯行状況を検証しました。

取材班が屋根裏にのぼると、成人男性では立つことは難しい高さです。天井が抜けてしまうため、足を置く場所も限られています。

はりの上を移動する
はりの上を移動する

警察が公開した写真を見ると、実際の屋根裏のはりの上には、複数の板が置かれており、「足場板」と書かれています。

足場として使ったのか、板も渡されており、屋根裏で長時間、身を潜めていた可能性も考えられます。

カメラのライトを消すと、中は真っ暗。

警察の押収品の中に、ヘッドライトがあったということで、ヘッドライトを点灯させると、なんとか手の届く範囲は確認できるものの、屋根裏全体がどうなっているかの把握は難しい状態です。

警察によると、破壊された壁は、耐火性のある石こうボードが4枚重なった状態だったといいます。

用意したダミーの石膏ボードに、スタッフが工具を使って穴を開けようとしてみますが、カッターなどでは歯が立たず、釘抜きなどで打ち付けると、今度は部屋にも響き渡るほどの大きな音が鳴ってしまいます。

釘抜きで破壊しようとするが、大きな音が響く
釘抜きで破壊しようとするが、大きな音が響く

被害者はもちろん、侵入経路として使われた部屋に住んでいた親族すら針谷容疑者が屋根裏に侵入していることに気がつかなかったという点から、不在を狙って作業していたということでしょうか。

さらに、めざまし8は容疑者が天井にあけたという2mmの穴から、どのくらい部屋が見えるのかも検証。

約2mmの穴が開けられたパネル
約2mmの穴が開けられたパネル

スタジオで2mmの穴をあけたパネルの後ろにカメラを仕込み、撮影された映像を見てみると…、かなり広い角度で穴の先を見ることができるのが分かりました。

2mmの穴からのぞいた景色 かなり広い視野でスタジオが見える
2mmの穴からのぞいた景色 かなり広い視野でスタジオが見える

防犯アドバイザーの京師美佳氏は、「どんな小さな穴でも目視で確認する必要がある」といいます。

対策として、以下の2点が上げられます。

対策① 穴を見つけたら、LEDライトを穴に当てる
穴の先にカメラがあれば、レンズが反射で光るため、確認することができる

対策② 部屋を暗くしてスマホカメラで部屋を見渡す
暗視カメラがあった場合、スマホカメラ越しに赤外線が反応して光る

ジャーナリストの岩田明子氏は、めざまし8のスタジオで、今後の防犯意識の在り方についてこう話しました。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
本当に怖いと思いますね。今回の被害者の女性も本当に怖かったと思います。
かつては2mmの穴をあけて小さいカメラを入れるなどは、警察が立てこもり事件のときにドリルで穴を開けて監視するなんてことをやっていたんですけど、こうした手法が一般に広まってしまったりしますと、私たちの方でもしっかり防犯しなくてはいけない。
今回の事件を機に、不動産会社などにも情報共有をして注意喚起をしたり、私たちもこうした防犯対策、小さい穴がないか、排水溝や点検口などを点検したり。
それから、ベランダからはしごを使って侵入してくるケースも多いので、高層階に住んでいたとしてもベランダの鍵はしっかり閉めておくなど、やれることはなんでもやっておくべきでしょうね。

(めざまし8 4月27日放送)