宮城・石巻市の離島・田代島。60人ほどが暮らす、のどかな島。
この島を全国的に有名にしたのが、いたるところで自由気ままに過ごすネコたち。
島には島民より多い150匹ほどのネコが暮らしていることから「ネコの島」とも呼ばれる。その人気は日本だけにとどまらず、国内外から年間1万人を超える観光客が押し寄せた。

宿泊施設「マンガアイランド」…利用者制限し再開

その田代島で人気の宿泊施設「マンガアイランド」。
石巻市が運営するこの宿泊施設「マンガアイランド」は、新型コロナウイルスの感染の拡大を受けて、4月下旬から休館を余儀なくされていたが、6月1日 営業を再開した。

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石巻市観光課・大和友大朗 主事:
各ロッジにハンドジェルを用意して、利用者に手指の消毒をしてもらうように対策をとっている

現在、予約の受付は県内に住む人に限定しているが、この措置をどう緩和していくのか、まだ見通せないという。

県は5月、緊急事態宣言の全面解除を受けて、段階的に外出の自粛要請を緩和することを決定。
6月19日からは県をまたぐ移動や、県外からの観光客の呼び込みの自粛も解除される。
しかし…

石巻市観光課・大和友大朗 主事:
田代島は高齢者が多いことに加えて、診療所が実質、週に1回しか開かないような状況。絶対に感染拡大は島の中でしないようにしていきたい

島唯一の診療所は週に1日

1951年に開設された田代島唯一の診療所には、常駐する医師はいない。週に1回、島外から来る医師が診療を行うのみ。
さらに観光客で賑わう田代島だが、8割以上が65歳以上の高齢者。
この状況下で観光客から感染が広がったらと、島民も不安を隠せない。

田代島の住民:
(観光客が)あまり来るとね。もし感染でもしたら大変ですよね。われわれも自粛していた。もう石巻に2カ月以上行っていない

田代島の住民:
(コロナ感染拡大後、観光客は)全然来なかったから、解除になれば、人の出入りが多くなるのでは、それが心配だね。ここにお医者さんは1週間に1回しか来ないし、みんな年寄りだけだから

フェリー会社と協力…島に入る前に対策

島民の不安を払拭するため、田代島への唯一の交通手段・フェリーの運航会社も対策に乗り出している。

乗船前に検温を実施しているほか、船内にも消毒用のアルコールを設置したうえで、マスクの着用など感染症対策を呼びかけている。

田代島のネコをモチーフにした土産が並び、軽食も楽しめる島唯一の観光客向けの交流スペース「島のえき」は、島民同士で相談した結果、6月1日から営業を再開した。

島のえき・渡辺ゆう子さん:
(今までは)極力、公式ツイッターで「来ないでね」と。(観光客に)来るなとは言えないけど、「自粛してください」と呼びかけて

施設ではアクリル板の設置など、できる限りの感染症対策はしているが、島民のためにも観光客自身の対策が欠かせないと話す。

島のえき・渡辺ゆう子さん:
地元の方があまりに心配であれば、われわれは(営業)自粛は当然だと思っている。(施設を)開けてみてどんな感じか…。症状がない方もいるので、暑いですけどマスクはしてもらいたい

新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される今。
観光客1人ひとりの意識が、全国から愛される「ネコの島」を、そして何より「命」を守ることにつながる。

(仙台放送)