数年前から交際していた男性を、女は「麻薬」を使って死亡させた。

「男性が意識なく、泡を吹いている」

午後4時すぎ、警視庁の高島平署から出てきた女。顔を上げ、前を見つめ、ゆっくりとした足取りで警察車両に乗り込んだ。

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傷害致死などの疑いで逮捕された、無職の川崎さくら容疑者(47)。

交際していた安藤勝弘さん(当時50)に、麻薬成分が入ったテープを貼ったなどして死亡させた疑いが持たれている。

川崎さくら容疑者(47):
テープを貼り付けて、薬を飲ませて死なせたことは間違いない。死ぬことはないと思った。

二人は数年前から交際し、同棲はしていなかった。これまでに、トラブルなどの通報歴はなかった。

現場の周辺には団地があり、閑静な住宅街。

警視庁によると、事件は2022年11月23日の昼ごろ起きた。

鎮痛作用のフェンタニル成分が入ったテープを安藤さんの胸に複数枚貼り付けたか
鎮痛作用のフェンタニル成分が入ったテープを安藤さんの胸に複数枚貼り付けたか

川崎容疑者は、持病のため処方された医療用麻薬の一種で、鎮痛作用のあるフェンタニルの成分が入ったテープを持っていた。

これを、安藤さんの胸に複数枚貼り付けたとみられている。

また、筋弛緩成分のある錠剤を複数飲ませたとしている。

翌日の午前7時ごろ、同居する親族が安藤さんの異変に気付き、と119番通報した。

「自宅で知人の男性が意識なく、泡を吹いている」

安藤さんは病院に搬送されるも死亡。死因は薬物中毒で、司法解剖したところ、体内からは致死量の麻薬成分が検出された。

近所の人は当時の状況をこう振り返る。

近所の人:
11月24日くらい、午後3時過ぎ、よく事件現場で見るような感じ。やっぱりそういうのを見たので、事件・事故があったので、怖いイメージは持ちました。

麻薬成分が入ったテープについて、専門家は死の危険性があると指摘する。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:
がんの痛みが強い人に貼り薬で使われることが多いです。1日1枚というのが基本にはなっているわけですけれども、中毒が進めば呼吸抑制、幻覚、さらには血圧低下。死に至る。

警視庁によると、事件当時、容疑者の自宅には親族のほか、同居人もいたといい、川崎容疑者の動機を調べている。

(「イット!」2月24日放送より)