マスクカバーひとつで“即席マスク”も

岐阜県の医療機器部品メーカーが、マスクと肌の隙間をふさぐ「マスクカバー」を開発。ハンカチやガーゼの上からかぶせれば、即席のマスクにもなる。

開発した、岐阜県各務原市に工場を持つ「タナック」という会社を訪ねた。

早速商品を手に取ると、すぐに分かる大きな特徴があった。

リポート:
肌触りがすごくいいですね。そしてすごく伸びます

このよく伸びる商品は、マスクと肌の隙間をふさぐ「マスクカバー」、その名もずばり、「マスピタ」。

タナック営業開発部の担当者:
マスクの隙間が非常に気になるという声が多く出ているということを知りまして、このような製品を開発するに至った

マスクの必要性が高まっているなかで、手に入ってもサイズが合わないなど、付けていて隙間が気になるという声を受けて考案。

また、ハンカチやキッチンペーパーを使って、手作りマスクのフレームとしても使うことができる。

ハンカチの上からマスクカバーを被せると、即席のマスクができあがった。実際につけてみると…。

リポート:
付け心地がかなりいいですね。耳も痛くならなさそうです

ガーゼやキッチンペーパーなどでも、簡単にマスクの代わりになり、しかも洗って繰り返し使うこともできるとのこと。

会社独自のびよ~んと伸びる“プルプル素材”

開発現場となった試験室へ案内してもらうと…

ビヨーンと伸びる透明のものがあった。

タナック営業開発部の担当者:
弊社のオリジナル配合素材のクリスタルゲルという素材です。『マスピタ』の素材になっているものです

この会社にしかないという素材が、材料となっていた。

持った瞬間はプルプルとゼリーのようで、すぐにちぎれてしまいそうだが、伸びて丈夫という不思議な感触だ。

タナック営業開発部の担当者:
柔らかくて伸びる素材です。いま1000%、10倍まで伸ばしているところです

伸縮性に富み、洗って繰り返し使えるよう耐久性に優れている。しかも肌触りもいいと、いいことずくめ。その開発には、総額1億円以上の機器を使ったという。

本業は医療部品や機器等の製作

なぜそこまでできるのか。実はこの会社…

タナック営業開発部の担当者:
これは(模擬の)胃袋です。胃がんの手術の練習とかに使っていただいている。クリスタルゲルで成形をしております。この会社は、医療機器の部品ですとか、医療用のシミュレーター、お医者さんが練習するような模擬の人体のパーツとかを作らせていただいております

先ほどの材料を使って、医師が手術のトレーニングに用いる「模擬臓器」や、寸分違わぬ精度が要求される医療機器の部品を作っていた。その分野でのシェアは全国トップだという。

タナック営業開発部の担当者:
これら模擬臓器は、非常に柔らかい人体の組織を再現しております。伸びて強靭な素材をずっと研究していましたので、そのなかでクリスタルゲルの『マスピタ』という製品が生まれました

そうした医療に関する土壌をもとに、「マスピタ」が生まれた。

逆境から生まれたマスクカバー

タナックは、部品や素材を展示会などに出品し、医療関係者に売り込む営業スタイルだが、新型コロナウイルスの影響で2月から5月の展示会が中止や延期となり、大きな痛手に。

そこで、模擬臓器や医療機器に使っていた材料を、マスクカバーに転用しようという発想が生まれた。

タナック営業開発部の担当者:
この製品に限っては非常に大きな反響もいただいておりますし、結果として、お客様がお困りのことに応えられるわけですから、(社員)一丸となって作ったということも含めて、非常に良かったかなと思います

苦境をバネに、社員一丸となって新たに前へ。5月1日に販売を開始してから、毎日1000枚近くが売れているという。

(東海テレビ)