新潟県民の安心と安全を守るために捜査で活躍した警察官の功績を称える「県民の警察官」。交通規制により交通事故の防止へ尽力した柏崎警察署・交通課の佐藤康裕警部補を取材した。

市民の安全を確保!交通課で活躍する警部補に密着

2022年7月、柏崎市で3年ぶりに開催された「海の大花火大会」。約15万4000人が訪れたこのイベントで、交通に混乱をきたさないよう規制の計画を立てたのが、柏崎警察署・交通課の佐藤康裕警部補。

柏崎警察署 交通課 佐藤康裕 警部補
柏崎警察署 交通課 佐藤康裕 警部補
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朝8時半、柏崎警察署の窓口業務が始まった。イベントや工事の際の道路使用の許可や交通規制の計画づくりなど、道路の管理を担う佐藤さんは、交通課内では最年長者として後輩を導く立場でもある。

柏崎警察署 交通課 矢澤千優 巡査長:
何でも知っている。交通部も長い方なので、窓口も道路使用の関係とか、道路標識の関係だとか、本当にたくさん教えていただいている

柏崎警察署 交通課長 高橋聡 警部:
知識も豊富なので、本当に任せておけるし、頼れる。そういった方

41年あまりの警察官人生の多くを交通部門で過ごしてきた佐藤さん。

柏崎警察署 交通課 佐藤康裕 警部補:
最初にやらなければならないことは、管内の道路をどれだけ早く把握できるか

異動が決まると、休日を利用して次の配属先に足を運び、地図を頭に入れてきたという。2020年、柏崎署に配属されたときには…

柏崎警察署 交通課 佐藤康裕 警部補:
ここの幅員がこれだけある。何で、ここは一方通行だったんだろうなと

長年、一方通行だった道路に違和感を持ち、市民の要望も受けながら、この道路の一方通行の解消を実現。そのうえで、車の交通量の増加が懸念されることから、歩行者の安全確保のため、押しボタン式の信号機も新設した。

柏崎警察署 交通課 佐藤康裕 警部補:
今現在、交通事故が起きたら大変なことになる。それをなくすために、「我々ができることはなんだろう」と考えながらやっている

現場の大切さ伝える佐藤警部補 

交通の流れと安全の確保の両立に苦心する日々。開通に向けて準備が進められるバイパスの工事現場では、後輩を連れて信号機の見え方などを図面だけではなく、現場で徹底的に確認する佐藤さんの姿があった。

後輩と工事現場を確認する佐藤警部補
後輩と工事現場を確認する佐藤警部補

柏崎警察署 交通課 佐藤康裕 警部補:
現場に連れて行って、「この観点で重要なのはここ」と、教えられるのはいいと思う

佐藤さんがこの現場確認の大切さに改めて気づかされたのは、2004年に発生した中越地震のときだった。

柏崎警察署 交通課 佐藤康裕 警部補:
ライフライン復旧のためには、作業する人が通る道路がなければいけない。そういった道路をいかに早く復旧させられるか、どこが生きていて、大型の車が通れるかということを最初に考えた

中越地震を経験
中越地震を経験

しかし、余震も続くなか、現場は危険と隣り合わせ。妻・祐子さんも当時、小千谷署で働いていた夫を心配したという。

佐藤警部補の妻 祐子さん:
妙見の山が崩れたという報道があって大丈夫だったかなと、そういう心配はした。電話は通じないし

佐藤警部補の妻 祐子さん
佐藤警部補の妻 祐子さん

危険な場所でも最前線で仕事にあたらなければいけない警察官。そんな夫を祐子さんは「いってらっしゃい」と、毎日欠かさずに送り出してきた。

佐藤警部補の妻 祐子さん:
こういう仕事なので、いつ何があるか分からない。なるべく機嫌よく見送るということを心がけている

柏崎警察署 交通課 佐藤康裕 警部補:
朝、どんな早い時間でも起きて見送ってくれたというのはモチベーションになった

家族にも支えられながら歩んだ警察官人生も残り半年。最後の最後まで、自らにできることをやり抜く考えだ。

柏崎警察署 交通課 佐藤康裕 警部補:
警察を辞めても、「警察ってよかったよな」と言えるような警察官人生を、あと半年送れればなと思う

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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