静岡県三島市。名物グルメといえばウナギを思い浮かべる人も多いと思うが、市内の和食店が“新たな名物”として提供をはじめたのがウツボ。
いったいどんな味なんだろうか?
三嶋和食・わ 米田憲さん:
これが“ウツボ”のお刺身です
刺身に天ぷら、そしてかば焼き。
すべてウツボだ。

きっかけは釣り好きの友人
ウツボ料理を提供しているのは三島市の和食店の米田憲(まいだ けん)さん。釣り好きの友人が、店にウツボを持ち込んだのがきっかけだった。

三嶋和食・わ 米田憲さん:
僕の友人がよく魚釣りに行ってて「ちょっと面白い魚を持ってきた」って言うんで、その持ってきてもらったお魚がウツボだったっていう

米田さんがウツボを釣るのは、店を終えた夜中。沼津市の海岸。イワシやサンマなどをえさに狙うと。1メートルを超える大物だ。
しかし…

“海のギャング”は骨が複雑
三嶋和食・わ 米田憲さん:
もう「なんだこれは」っていう感じでしたね。本当に骨の入り方が。普通にさばいても「ああ、もう無理だわ」という感じでしたね
「海のギャング」と呼ばれるウツボ。高知県や和歌山県などで郷土料理として食べられているが、一般的には”厄介者“。理由は、複雑に入り組んだ骨だ。
三嶋和食・わ 米田憲さん:
これに沿って一回包丁を入れていきますね。これ包丁入れる時も、ちょっと骨が複雑なんでちょっと斜めにスライドさせながら
米田さんは骨の入り方を知るために研究を重ね、独自のさばき方を習得。

1月からメニューに登場
今年1月から、本格的に店のメニューに加えた。
三嶋和食・わ 米田憲さん:
やってる時は、もう何回もやめようかなっていうか、挫折もしたんですけど。でもやっぱり、おいしいというゴールがわかってたんで
そう。ウツボは実はとってもおいしいんだ。

三嶋和食・わ 米田憲さん:
それでは早速、ウツボ講座を始めていきたいと思います
そのおいしさを知ってもらおうと、2月お客さんなどに声をかけて体験会を開いた。
子供はこの反応!
子供:
こわい
ウツボに触れて、さばいて・・・
参加者:
初めて。(どうです、さばいてみて?)骨がどこにあるんだかわからない

いよいよ試食。まずは刺身。
参加者:
おいしい
別の参加者:
こりこりしてますね。何に近いんやろこれ
別の参加者:
貝みたい
続いては天ぷらとかば焼き。
参加者:
もう見た目が見た目なんで、ちょっとクセがあるのかなと思ってたけど、意外にさっぱりしてて
別の参加者:
ウナギに似たような食感というか、味もそうなのかなと思ってたんですけど、それに比べてすごく弾力もありますし
ウツボのおいしさが伝わったようだ。
“未使用魚”を使う
三嶋和食・わ 米田憲さん:
“未使用魚”―使わないお魚ですね、サメもそうですよね、未使用魚が、静岡県は本当に多いんで、もっともっとみんなチャレンジして、いろんなお魚を使っていただければなと

米田さんの店は6月から「専門店」としてウツボを提供する。
今後、サメやエイなどの料理にも挑戦したいという米田さん。
知る人ぞ知る、おいしい魚を求めて挑戦は続く。
(テレビ静岡)