新型コロナの感染防止と自粛解除後の生活との難しい両立をどう乗り越えていくのか?

めざましテレビでは飲食・エンタメ業界がどう進化していくのか調査した。

配膳ロボット:
ご注文の料理をお持ちしました。お取りになりましたら、わたしの頭をなでてください

これは飲食業界に導入されている自動配膳ロボット。お客同士や店員の感染を防ぐために飲食業界では、こうしたロボットの導入や、対面式だったテーブルを横並びで座る方法に変えるなど、さまざまな対策が行われている。

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さらに、エンタメ界でも今後についての動きが…

映画コメンテーター有村昆さん:
オンラインで新作映画を公開する波が出ています

飲食業界は非接触型の対策がとられている

帝国データバンクの調べによると、新型コロナウイルスの影響で倒産したとみられる企業は5月11日現在、全国で133件。そのうち約1割を飲食店がしめている。

接触感染や飛沫感染を防ぐため飲食業界はどう変わっているのか?

都内にあるラーメン店では対面式だったテーブル席を壁に向かって横並び式に変更。さらに別のお店ではカウンター席に隣との簡易的な仕切りを新たに設置するなど、さまざまな工夫で飛沫感染を防ぐ対策を取っていた。

また家族での利用も多い回転寿司店ではテーブル席とテーブル席の間仕切り柵にビニールシートをかぶせたり、カウンター席に透明なアクリル板の仕切りを設置し、1席ずつ間隔を開けて案内するなど感染対策を強化していた。

こうした取り組みにくら寿司の担当者は…

くら寿司株式会社広報部 辻明宏さん:
ただ営業を自粛するだけでなくて、お客様に食を提供するという役割もあると思いますので、その中で最大限出来ることを努めていくのが我々の務めかなと思います

くら寿司では5月15日までにこうした感染対策を全国453店舗全てで導入し、各自治体の要請に従って営業する予定だ。

また最新技術を駆使した対策と言えば冒頭でも紹介した配膳ロボット。

自動配膳用ロボット「PEANTU」はすでに宮城県の焼き肉店や福岡県の居酒屋などで導入されている。

天井に組み込んだセンサーをロボットが赤外線カメラで認識し、テーブルまで自動で移動。ウェイターのかわりに料理を届けてくれる。値段は1台250万円(税・設置費用別途)。フル充電すれば10時間連続で稼働可能だという。

さらに、自動配膳用ロボット「PEANTU」は目の前に障害物があっても察知して回避する優れモノだ。スタッフがロボットの進路をふさいでみると…

自動配膳用ロボット「PEANTU」:
すみません。急いでいますので、道を譲ってもらえますか?

と声をかけ、スタッフをよけて行った。

自動配膳用ロボット「PEANTU」について担当者は…

株式会社日本システムプロジェクト 長谷川洋一さん:
お店側からすると人件費の削減。お客様との接点を減らすということでコロナウイルスの対応として活躍している。飲食店以外にも、図書館、工場、病院、施設であったりだとかそういったところからの引き合いを多く頂いております

さらに、テスト段階だが4月下旬からテイクアウト時に人と接することなく受け取れるサービスも始まっている。

カフェの前に置かれたカラフルな箱のようなもの。実はアプリと連携して開閉する「オーダー・ロッカー」だ。

株式会社Showcase Gig 新田剛史代表取締役
待たずにレジもなく、さっと受け取れるんです

このロッカーの使い方は、まず専用のアプリから利用者が事前に注文と登録したクレジットカードなどでの支払いを済ませておく。

お店に注文が届き、利用者の来店時間に合わせ商品が準備できると、アプリに商品準備完了のお知らせが届くシステム。ココ調スタッフもさっそくアプリで注文し、取りに来てみると…

ココ調スタッフ:
(ロッカーの)注文確認ボタンを押します…おぉ!開きました。これで受け取り完了ということです

ロッカー内の照明には殺菌効果があるとされる紫外線を使用している。このサービスについて担当者は…

株式会社Showcase Gig 新田剛史代表取締役:
本当に問い合わせは急増しておりまして3月と4月を比べただけでも(問い合わせが)数倍になってたりします。店員さんとの接触もない上で買い物が終えられると…

このように飲食業界では、コロナ危機をどうにか乗り越えようと人との接触を減らす非接触型の対策がとられていた。

苦境のエンタメ業界はオンライン配信で…

続いてはエンタメ業界。映画館ではTOHOシネマズが5月15日から、全国10館の営業を再開すると発表。

そんな映画界は、今後どうなるのか。映画コメンテーター・有村昆さんに聞いた。

映画コメンテーター有村昆さん:
劇場では公開せずに、オンラインで新作映画を公開するという波が出ています

劇場公開とデジタル配信を同時にリリースした映画「トロールズ ミュージック★パワー」は3週間で視聴数が500万回超え。アメリカで売り上げ1億ドル(約110億円)を突破したという。今後このような新作映画のオンライン公開の視聴料金を有村さんに聞いてみると…

映画コメンテーター有村昆さん:
金額はちょっと高いです。映画館は一人一枚チケットがいるので収益を確認できるんですが、ネットの場合は家族全員で観ても同じ料金なので、「割高ですよ」というシステムが定着化してくるんじゃないかと思います

音楽業界は定額でライブを配信

続いては音楽業界。川嶋あいさんや井上苑子さんなどが所属するつばさレコーズのプロデューサー・福原慶匡さんに現状について伺った。

つばさレコーズプロデューサー・福原慶匡さん:
アナログのリアルのライブって、すごく魅力がたくさんあって…コロナ終息後にはソーシャルディスタンスを考えながらライブに行く期間があると思いますが、その期間は、おそらくチケット代があがってしまうんですね。現場のライブオンライン中継の2つをやって両方から収益を得ることで、なんとか運営コストをクリアしたりとか。そういう形がリアルな部分で起こると思う

今後は、アーティストによる有料オンラインライブも増えていくという。

ライブ動画配信サービスを提供する「SHOW ROOM」で開催されたのは、DAIGOさん率いるBREAKERZのメンバー3人がそれぞれリモート形式で、トークや歌を配信。これは1枚約1000円のチケットを購入すれば誰でもスマホやパソコン画面で視聴できる仕組みだ。

こうした仕組みを提供している「SHOW ROOM」の代表取締役社長・前田裕二さんは…

「SHOW ROOM」代表取締役社長・前田裕二さん:
リアルなライブ会場だとキャパシティも決まっていますし、(ライブ会場に足を運ぶような)ものすごくコアじゃないファンの方々にとっても(オンライン配信は)気軽にのぞける場になっているのかも知れないなと思いました。(新型コロナ感染防止で)ネットのスクリーンを介した価値提供というモノを強制的にやらないといけない状況になっていて。ネットとリアルのハイブリッドな価値を提供するようなアーティストやクリエイターがたぶん勝ち上がっていくんだろうなと思っています

三宅正治キャスター
コロナが終息してもそのまま使えるような進化をしていく部分も出てくるかもしれませんね

(「めざましテレビ」5月13日放送分より)