息子の“設計図”から父が制作!

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、引き続き全国的に外出の自粛が呼びかけられている。

現在SNSには「ステイホーム」しながらできる遊びやハンドメイドに関するアイデアがあふれているが、そんな中「ロボットを作ってみた」という投稿が話題になっている。

「息子に『ロボット作って!』って言われて、なんか設計図?をもらったので、作ってみた」

シンプルながら驚きのコメントとともに動画を投稿をしたのは、秋葉原のロボットベンチャー企業で「お弁当におかずを詰めるロボット」のユーザーインタフェースを開発しているという、ロボットエンジニアのししかわ(@meganetaaan)さんだ。

「ロボと(ロボット)」の設計図がこちら
「ロボと(ロボット)」の設計図がこちら
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投稿された動画にまず登場したのは、5歳の息子さんから渡されたという“設計図”として描かれた「ロボと(ロボット)」

四角いボディの胸には赤と青の印が付いたメーターらしきものが埋め込まれ、頭にはアンテナが1本立ったデザインの、なんとも“古き良き”ロボットだ。

そっくりのお手製ロボットが登場!
そっくりのお手製ロボットが登場!

そして設計図の後ろから登場したのが…そっくりの小さなロボット!

機械音と共に首がクルリと横に回り、胸のメーターの“針”も左右に動くなど、手のひらサイズながら立派なロボットだ。

頭部はカッチリとした四角形ではなく、手描きならではの“ゆがみ”をあえて残すなど、あたたかみのある仕上がりになっているのも見逃せない。

この動画には「忠実なデザイン!」「再現度が本当に素晴らしい」など、そのクオリティの高さに驚くコメントが続々。「息子さんの夢を再現するなんてスゴい」「久々に心がほんわかしました」との声も寄せられた。

自分の描いたロボットが立体化する…なんともロマンあふれる体験をした息子さんだが、さっそくその反応について、お父さんのししかわさんにお話を聞いてみた。

「かっこいい!」と喜ばれたものの、今は…

――自分の描いたロボットが完成…息子さんの反応は?

「かっこいい!」とはしゃいでいました。満足してもらえたようです。

でも二言目には「これ、しゃべるの?」「手を動かしたい」「ジャンプはできる?」など…次のバージョンへの注文もたくさんもらえました。


――こだわった点を教えて

形を再現するのが大変でした。元ツイートだとあっさり作ったように書いてしまいましたが、実際は1週間近くかかっています。

最初はまっすぐな線でボディを作ったのですが、全然雰囲気が違ってしまい、かわいくなりませんでした。何度かモデルの修正と3D印刷のトライアンドエラーを繰り返して「あえて線を崩して、イラストのとおりにしたほうが良い」という考えに至りました。

まっすぐなボディだった頃がこちら
まっすぐなボディだった頃がこちら

――そんなロボット、今どうしている?

今は私の机に飾っています。息子が最初遊んでいましたが、10分もしないうちに飽きてしまいました。動きが単純なので仕方ないですね。


息子さんの設計図の「ユルかわいさ」を忠実に再現すべく、3Dプリンタを使い1週間かけて作ったこだわりのロボットだが…現在はししかわさんの机に飾られているそう。

子どもらしい結果にはなったものの、初めて見た息子さんは「かっこいい!」と喜んでいたということで、最高の経験になったことは間違いないだろう。

「いいね」の数に息子さんもびっくり!

ししかわさんはロボットエンジニアということで、まさに「プロの仕業」だったわけだが、実は今、投稿を見て「自分も作ってみたい!」と思った人向けに解説ページを公開予定だという。


――このロボットの仕組みはどんなもの?

首にモータが1つだけついた単純な仕組みです。自分も作りたい!という方のために、作り方の説明ページを公開しようと考えています。

外装はFusion360というCADソフト(設計・製図用の支援ソフト)で作成しました。個人の利用なら無料で使えます。モデルデータを公開していますので、モデルをダウンロードすれば3Dプリンタで印刷ができます。

中身については「M5ATOM」という小さなコンピュータの部品に、ラジコン等で使われるサーボモータ(角度を指定できるモータ)を繋いで動かしています。M5ATOMはWebアプリでもプログラミングができるので、電子工作初心者の方にもおすすめです。

内部構造を公開中
内部構造を公開中

――大きな反響がありましたが…

「かわいい」「ほっこりした」など、ご好評をいただけて嬉しいです。息子にもツイートの反響を伝えたところ「(いいねの数が)ごせんにんもーー!?」とびっくりしていました。コロナ禍で暗いニュースが多い中、少しでも明るい気持ちになれる話題を提供できたら幸いです。


自分のアイデアが形になるという貴重な経験に加え“バズ”も体験した、“設計者”である息子さん。

反響の大きさに驚きの声をあげていたそうだが、投稿から数日経った5月1日現在、「いいね」の数は7000件超になっており、さらなる驚きの声が聞こえてきそうだ。

まだまだ「ステイホーム」が続く中で迎える大型連休だが、普段はできないことに取り組んでみるいい機会になるかもしれない。親子の記念にもなる、こんな「おうち遊び」に挑戦してみてはいかがだろうか。

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プライムオンライン編集部
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