ふわふわ泳ぐ「フウセンウオ」の癒やし動画
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くのレジャー施設が営業を自粛している。ただ、客足が途絶えても、変わらず生活している動物たちの姿をSNSで発信している動物園や水族館は多い。
そんな中、4月25日に青森市にある浅虫(あさむし)水族館が“癒し”の動画を投稿し、話題になっているのだ。
アザラシだけじゃない!休館中ですが、他の生き物たちも元気ですよ~✨
— 青森県営 浅虫水族館 (@AsamushiAqua) April 25, 2020
おさかな界の癒やし系、フウセンウオたちの姿をおとどけします。おなかにある吸盤状のひれでぴたっと色んな所にくっつきます。なんだかゆる~い顔や動きにのほほんとした気持ちになりますね☺️ pic.twitter.com/fiAAD9Fxrg
「アザラシだけじゃない!休館中ですが、他の生き物たちも元気ですよ~
おさかな界の癒やし系、フウセンウオたちの姿をおとどけします。おなかにある吸盤状のひれでぴたっと色んな所にくっつきます。なんだかゆる~い顔や動きにのほほんとした気持ちになりますね」
このコメントとともに青森県営浅虫水族館が投稿したのは、フウセンウオの動画。
その名の通り、まるで風船のようなコロンとした形の魚たちがふわふわと泳ぐこの動画、6匹がなぜか同じ貝に大集合する様子がおさめられていて、こちらを見つめているかのようなユーモラスな表情に思わず笑ってしまいそうになる。
動画には「かわいすぎる、気持ちがスーッと軽くなった」「ほっこりした」という声のほか、ぴったりと身を寄せ合うかわいらしい姿を「密になりすぎ!」「そろってステイホームしてますね」と“いじる”コメントも寄せられ、5万件のリツイート、14万件の「いいね」がつく人気となった(4月30日現在)。
浅虫水族館のコメントの通り「のほほんとした気持ち」になれる動画だが、普段あまり目にしないフウセンウオたちのまるでショーのような整列姿の理由は? 浅虫水族館の担当者にお話を聞いてみた。
大集合の理由は「ホタテ貝好き」?
――フウセンウオってどんな魚?
北海道、日本海、東シナ海北東部の岩礁域に生息しています。身体の大きさは0.5~6cmになり、当館の個体は現在2~3cmです。
名前のとおりフウセンのように真ん丸で見た目もかわいい。泳ぐのはあまり得意ではなく、お腹の吸盤で何かにくっついて流されないようにじっとしていることが多いです。当館では、ホタテの貝や岩、水槽にじっと止まっています。
――貝に整列…この行動の理由を教えて
集まって並ぶのはたまたまかもしれませんが、動画のフウセンウオが止まっている貝はツルツルしたホタテ貝(他はアカザラガイ)で、素材を好んだ子が集まっているのかもしれません。
話題のフウセンウオ! https://t.co/htsopfsQb7 pic.twitter.com/A7YSvcHM0g
— 青森県営 浅虫水族館 (@AsamushiAqua) April 29, 2020
浅虫水族館によると、身を寄せ合う行動は「貝の素材の好み」が影響しているのでは、とのことだった。
4月29日に「話題のフウセンウオ!」というコメントと共に新たに投稿された写真では、2つの貝に分かれて休んでいるフウセンウオの様子が見られた。たしかに、ゴツゴツとした部分に乗っている個体がいないことからも「ツルツル感触」が人気だということは分かる。
「泳ぎが得意ではない」という、少々魚らしくないところも魅力のフウセンウオたちだが、そんな彼らが頑張って泳ぐうちに、たまたま好みの場所を見つけて大集合…というかわいい偶然が、今回の“癒やし動画”につながったようだ。
「早く皆様が安心して水族館を楽しんでいただけるように」
そんな浅虫水族館だが、新型コロナウイルスの影響を受け、4月11日から休館中。現在、5月7日の営業再開を予定しているとのことだ。
――今回、なぜフウセンウオたちの動画を投稿した?
ちょうどゴマフアザラシの赤ちゃんが生まれたばかりなので、その姿を見てもらうためにTwitterに動画を投稿してましたが、アザラシ以外の他の生き物についても、休館していてもスタッフが出て世話をしていますし、せっかくなので元気にしている姿をごらんいただきたいと思い、発信しました。
――新型コロナの影響で休館中…影響は?
ゴマフアザラシの赤ちゃんが生まれたあたり(ちょうど休館となった日)から、Twitterの反応は増えています。赤ちゃんが誕生したニュースは地元のTV局や新聞などでも取り上げていただき、地域の方で気にかけてくださる方は多いと思います。
――大きな反響がありましたが…
ツイートについてのコメントなど拝見しましたが、青森出身の方などが「昔よく行っていた」「懐かしい」など書いてくださっていて、また来たいと思ってもらえれば嬉しいです。
今この状況なので、営業再開してもたくさん来てください!とは言えないのですが、早く皆様が安心して水族館を楽しんでいただけるようになればいいなと思います。
――今後、どのような情報を発信していきたい?
休館中ですが、水族館や生き物たちの様子はスタッフブログやTwitterで毎日お伝えしているので、チェックしてもらえればと思います。
緊急事態宣言の延長が検討されているなど、先の見えない状況が続いているが、こんな時こそほっと一息つける時間も大切。
元気な動物たちに癒やされつつ、直接会える日が来るのを「ステイホーム」しつつ待つのもいいだろう。
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