三島市のアルミ工場が、いま知名度を上げている。
その理由は、女性社長が挑戦した新たな商品づくりだった。

“スチームパンク”の世界

鋼が鈍い光を放つ車に…
歯車のアクセサリー…
そして甲冑?

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突然会社を継ぐことになった女性社長のチャレンジに注目が集まっている。

三島市で自動車部品などを作るアルミ工場「三光ダイカスト」。
ここで出迎えてくれたのは…

テレビ静岡 原崎瞳記者;
こんにちは。よろしくお願いします

三光ダイカスト・​三宅ゆかり社長;
これ“スチームパンク・ファッション”ですね。(工場の)余材廃材を使ってこういうものを作ったんですね

スチームパンクとは、アニメ「天空の城ラピュタ」のような、産業革命や蒸気機関をモチーフにしたSFのジャンル。

アルミ工場の3代目・女性社長

三光ダイカスト・三宅ゆかり社長;
現場を回ったところ余材廃材が工場にすごく積んでありまして、それはもったいないなと思って。アクセサリーに見えたんですね、余材廃材のものが

三宅さんは会社の3代目。
創業者の父が2011年に亡くなると、叔父が会社を継ぎましたが、その叔父も病にかかり、突如、三宅さんが工場を継ぐことになった。

きっかけは見学者のひとこと

何か会社を盛り上げることを始めたい…
そんなとき、工場見学に来た人からヒントをもらった。

三光ダイカスト・三宅ゆかり社長;
『スチームパンクみたいな世界観ですね』って、工場見学をされてすぐおっしゃったんですよ。それで、もちろんはてなマークが100個くらいつきましたけど、スチームパンクを調べたところ、なるほど、うちの工場そのままスチームパンクなんだと思いました

工場には様々な機械と金属が
工場には様々な機械と金属が

現場は当初 “消極的”

廃材を使ったスチームパンクのアクセサリー作り。
しかし、現場ははじめ消極的だった。

営業部・青木義和係長;
無理だなと。そもそも畑違いというか

永井幸男副社長;
私も含めてそれなりに長い経験を持っている人間はなかなか…相容れない

それでも、スチームパンクの専門家を呼んで説明してもらったり、話し合いを重ねていくと…

営業部・青木係長;
50点作って半分以上売れて、少しずつ認めてもらえるというか、協力してくれるようになりました

永井副社長;
プラスのスパイラルみたいなものが、会社の中にも雰囲気的には出てきて。本業の方にもプラスの効果が出てきて

その商品がこちら。

歯車の細工を施したヘアクリップや…
ゴルフのマーカー。

すべて手作業で作る1点もの。

これが展示会でスチームパンクファンの目にとまり、注目されるようになった。

さらに3年前には、スチームパンクをきっかけに会社を知ってもらおうと、工場内にショールームをオープン。

三光ダイカスト・三宅ゆかり社長;
技術者がこんなに中では一生懸命作っているんだよという、ひとつのアピール。おかげさまで新入社員の方も、本当に何十年ぶりに応募してくださる方がたくさんいると

三宅さんは、1月 静岡市で開かれたファッションイベントで、県内での活躍が期待される女性に贈られるウーマンアワードを受賞。

三光ダイカスト・三宅ゆかり社長;
異業種とも連携をとって、ものづくりをもっと世界に発信していく。私もそういう風に弊社を発信していきたいと思います

新たな道を切り開くため、アイデアを形にし、発信する。
女性社長のひらめきが中小企業を元気にしている。

■スチームパンク作り
このスチームパンク、材料費は廃材なのでほぼタダというものの、工程の複雑さや機械費が価格を押し上げる要因になるそう。
また、展示会での購入者はスチームパンクのファンの人たち、ショールームで買うのは視察に来た外国人会社員が多いという。
ショールーム(工場)の見学は事前予約制。
(連絡先:055-977-4585)

看板も“スチームパンク”
看板も“スチームパンク”

(テレビ静岡)