新1年生が背負い始める「ランドセル」。子供たちのランドセル選び。入学はまだ「来年」なのに、この時期からもう始まっている。

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親:
子供の欲しいものを早く選びたい。自分で選んでもらって決めて上げたい

種類も数も年々増えるなか、今どきのトレンドは「ジェンダーレス」。

業界激震の「カラー革命」から約20年、進化はまだまだ止まらない。ランドセルの歴史を紐解けば、イマが見えてくる!?ランドセル選びの活動、ラン活の最前線に迫る。

“ラン活”早くもスタート

まずうかがったのは、仙台三越。

伊藤瞳 アナウンサー:
仙台市内の百貨店のランドセル売り場です。こちらは4月6日オープンしたということですが、はやくも2023年の小学1年生、つまり、今 年長さんのお子さんにむけたランドセルが販売されているんです

2023年度向けモデルが約300種類。「ラン活」の開始時期は、年々早くなっているそう。

仙台三越 柴田知美さん:
早い人だと4月より前に下見を始めて、5月の連休中に買う人が多い

この日も、たくさんの家族連れが品定め。

親:
いま みんなランドセル買うの早いって聞いて、いろいろ種類があるうちに選びに来た。

すでにお目当ての商品を決めて、買いにきた親子もいたが…

親:
前からこのランドセルを背負わせたかった

娘:
いやだ!紫がいいの

お父さんが選んだランドセルより、欲しいものがあるみたい…すれ違う親子の気持ち。
それも今どきのラン活事情。結局この日は買うのを諦めた。

親:
子供と大人が選びたいのは違うので。いったん持ち帰って家族会議してきます。

親子のラン活はまだまだ続く。

時代を映す子供の背中

少子化が続く一方で、ランドセル市場は活況だ。購入価格の平均は約5万3000円と、10年前の1.5倍に。1世帯あたりの子供の数が減ったぶん、両親や祖父母が「いいランドセルを買ってあげたい」と、たくさんお金をかける傾向にあるそう。子供のほうは選択肢が増えて「よりどりみどり」。せがんでしまうのも無理はない。

仙台三越 柴田知美さん:
年長さんは値段を気にせずデザイン・色を重視。おのずと値段が上がる

しかし、上がっているのはお値段だけではない。デザイン性はもちろん、機能性もアップ。例えば収納ポケットにマチがあり、伸び縮みするタイプ。以前に比べてページの量が増えている教科書のほかに、A4サイズのファイルもすっぽり入る。

また、リモート授業で使う機会が増えているタブレット端末。持ち運びに便利な専用のポケットがついているのも、いまの時代ならではと言える。

突然ですがここでクイズ。2021年、ランドセルの人気カラー、男の子の1位は不動の「黒」。では、女の子の一番人気は?

伊藤瞳 アナウンサー:
正解は「紫」です

一体なぜかというと、あの人気アニメの影響だそう。

仙台三越 柴田知美さん:
2021年、「鬼滅の刃」の影響で「胡蝶しのぶ」のイメージカラーの紫。中でもラベンダーの色に人気があった。

ところで小学生は、どうして、いつから、ランドセルを使うことになっただろう?
ときは明治。陸軍の兵隊が使っていた「背のう」という布でできたカバンを背負い、子供たちが登校したのが始まり。そのカバンがオランダ語で「ランセル」だったため、のちに「ランドセル」と呼ばれるようになったそう。

また、戦時中には物資の不足から紙やブリキでできたものが使われたことも…

時は進み、2000年代の初頭。
大手流通グループ「イオン」が、24色のランドセルを発売。ナンバーワンよりオンリーワン。自分だけのランドセルを求める風潮は、このころから始まったとも。現在は…

伊藤瞳 アナウンサー:
ランドセルが並んでいます。色とりどりありますね

イオンスタイル新利府 中村久乃さん:
予約会の時期は約290種類用意しています

カラーバリエーションはさらに増えていた。また、重さ1キロを切るランドセルから、背負いやすさや丈夫さを追求したというランドセルまでさまざま。

「ラン活」バーチャル時代

さらに、進化していたのは「選び方」。本体やフチの色など、細かなパーツまで自分好みにカスタマイズ。タブレット端末で組み合わせのイメージをチェックできる。種類はなんと269万通り。また、こんな選び方も。

伊藤瞳 アナウンサー:
いかがでしょうか。背負えていますでしょうか

AR・拡張現実の技術を使った「バーチャル試着」。ランドセル姿の画像を、遠方に住む祖父母に送れるということもあって人気だそう。他にも新しいトレンドが登場。

ラン活もジェンダーレス

仙台市青葉区本町にある土屋鞄製造所。職人手づくりの「工房系」と呼ばれるランドセルメーカー。毎年この時期には、早くも売り切れる商品が出るそうだが、なかで、2022年に人気のランドセルが…

土屋鞄製造所童具店・仙台 高野政則 店長:
ジェンダーレスで、性別問わず背負えるようなランドセル

性別にとらわれない「ジェンダーレス」のランドセル。鮮やかな原色ではなく、落ち着いた色合いで、できるだけ装飾を抑えたシンプルな作りが特徴だそう。

伊藤瞳 アナウンサー:
やっぱり男女問わずという時代になってきたというのも、ランドセル開発にも影響している部分はありますか

土屋鞄製造所童具店・仙台 高野政則 店長:
女の子も男の子も、好きな色から選んでほしい。子供の選択肢を広げたい

個性や、多様な価値観を受け入れる。ランドセルの中には、現代社会の願いがつまっているのかもしれない。

(仙台放送)

記事 494 仙台放送

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