2024年パリ五輪の新種目となる「ブレイキン」。軽快な音楽に合わせ、ダンスの技術や創造性を競うこの競技で金メダルが期待される20歳の超逸材をフジテレビ「S-PARK」新キャスター佐久間みなみアナウンサーが直撃取材、そのスゴさに迫った。

パリ五輪金メダル候補「Shigekix」

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パリ五輪で金メダル獲得が期待されるのが「Shigekix」のダンサーネームで活躍する半井重幸(20)だ。2020年にはブレイキンで最も権威のある大会「Red Bull BC One World Final」を史上最年少となる18歳で制覇、20歳にして国際大会46回の優勝を誇っている。

そもそも「ブレイキン」ってどんな競技?

「ブレイキン」はまだまだスポーツとして馴染みのない競技だが、その起源は意外なところにある。1970年代の米ニューヨークのブロンクスという地区の路上で生まれた。当時、その地区ではギャング間の抗争が激しく、多くの事件が起きていた。そういった抗争を暴力ではなく、平和的に解決する手段として考案されたダンスバトルがブレイキンの起源といわれている。

ブレイキンの魅力は「バトル」

その超逸材を取材しようと佐久間キャスターが訪れたのは、東京・両国国技館で行われた国内大会「マイナビDANCE ALIVE HERO'S 2022」。試合を前に、かつて世界大会3連覇を果たした白井健太朗さんにブレイキンの魅力を聞いてみた。

ーーブレイキンの魅力は?

「ブレイキンの一番の特徴は…バトルなんです!」

ブレイキンの踊り手は「B-BOY」「B-GIRL」と呼ばれている。大きな特徴はDJやMCがいるという点。DJは音楽を流す人で、MCは司会進行・会場を盛り上げる役目だ。他のダンススポーツには全くない要素で、音楽は即興で流される。ブレイキンのダンサーたちは、DJの音楽に合わせて即興でダンスを踊り合い、勝負を決めていく。

「即興で踊ることは大事な要素になってきて、会場や相手の状況に対して即興で反応して技を繰り出せているのかも一つの採点基準になってくるんです」

スゴさは「フリーズ」

ーー初めて生でブレイキンを見て、正直速すぎて、どんな技をやってるか分からなかったんですけど…

「確かに速すぎる動きですが、ビタッと止まっているところもあったのに気づきましたか?」

ーーありました!

「実はそれがShigekixのスゴさでもあるフリーズと言われる技なんです!」

ブレイキンには一連の踊りの中に様々な動きがある。その中でも大きく分けて「トップロック」「フットワーク」「パワームーブ」「フリーズ」という4つのスタイルから構成される。「トップロック」は立った状態でのステップ。地面に手を突いた状態でステップをする「フットワーク」。頭や肩などで回るブレイキンの代名詞が「パワームーブ」。その一連の流れから音に合わせて体を止める大技「フリーズ」。これらを組み合わせ、相手と戦っていく。

その中でもShigekixの強さのひとつに「フリーズ」のスゴさがあると白井さんは言う。

「スピードや難しい技をしている中でビタッと止まる。それまでに体力消耗しているのに最後きちんと締めくくられる。勝ちにつながる大きな要素です。Shigekixのスタイルは圧倒的なスピード、そのスピードある動きから体をビタッと止めるフリーズは唯一無二のものなんです」

決選前にShigekixを直撃!

そして準決勝前を前に佐久間キャスターはShigekixにインタビューすることができた。

ーー白井健太朗さんにShigekixさんのスゴさを教えて頂いたんですけど、強さのひとつに「フリーズ」のスゴさがあるとおっしゃっていたが自分で意識しているところは?

「回転技も中に組合せながらフリーズしている。ここっていう音楽のタイミングだったり動きやコンビネーションの中で入れていくので、回ってる、止まってる、踊ってる、メリハリがついた方が見ていて分かりやすい。印象に残るって意味ではインパクトとしては大事なのかなと」

ダンスにメリハリをつけ、審判にインパクトを与えるスゴ技フリーズ。決勝でもそのスゴ技を披露してくれた。

決勝のバトルでも見せたフリーズ

パリ五輪の代表選考につながる今大会。DJが即興でかけた音楽に合わせてダンスをするブレイキンは、ジャッジ(審査員)が技の難易度などの技術点、オリジナリティなどの表現点、構成・技の完成度などの総合点、をもとに総合的に判定する。決勝の対戦相手「Nori」の前でShigekixは自らのスタイルで圧倒的なスピードと技術を存分に活かし、目にも止まらぬ速さで次々と技を繰り出していく。

そして、頭を床に付けた回転技のパワームーブの流れの中で得意のフリーズを披露。激しい動きからピタリと止まるフリーズ。Shigekixは技のコンビネーションを次々と繰り出していき、ジャッジと観客にインパクトを与え続け、トーナメント戦の頂点に立った。

優勝のShigekixを再び直撃!

これには観客席の佐久間キャスターも大興奮。試合後、優勝を果たしパリへ確かな一歩を踏み出したShigekixに佐久間キャスターが再び直撃した。

ーーおめでとうございます

「やりましたよ!!うれしいです。ありがとうございます」

ーーメダルの重みは?

「オリンピックのメダルも狙うところではありますが、今日のメダルは今日のメダルでうれしいです」

ーー今日の取材を通して「フリーズ」のスゴさが伝わったが決勝のバトルで意識した部分は?

「一番最後にやった動きがあって、そのフリーズは自分のオリジナルのフリーズで、勝ってやろうという気持ちを込めた。リスクのある動きだったけど勝負を決めに行きました」

Shigekixが最後に出したのはオリジナルの「フリーズ」それは一般的な静止する動きに加えて、肩のみで体を支え、さらには回転を加えたフリーズ。体自体はピタリと止まりながらも軸で回転していて、Shigekixのみができるオリジナルのフリーズ。このフリーズが決勝の大きなポイントになった。

ーー実際に近くでフリーズを拝見することはできますか?

「はい、いいですよ」

佐久間キャスターのお願いに快くフリーズを見せてくれたShigekix。

ーー間近で見ると迫力がすごいですね。もう1回見たいくらいです

「やりましょうか(笑)」

佐久間キャスターのまさかのお願いにShigekixは2度もフリーズを実演してくれた。

2年後のパリ五輪目指すは「金メダル」

ーーブレイキンの魅力とは?

「ブレイキンには自由の幅が広くて、色んな可能性があると思います。世の中ありとあらゆるルールがある中で、ステージの真ん中で何をしてもいいよっていう世界。自分の表現したいことを踊りに乗せて、カッコつけてもいいし、相手に闘志向き出しの踊りをしてもいいし、その日常ではできない非日常的なものを表現することができるのが魅力の一つかなって思います」

ーーパリ五輪への第一歩としては今日の結果をどう受け止めている?

「今日の優勝の経験は自分の糧になるものだと思います。2024年に向かって明日から頑張ります」

ーー目指すものはズバリなんでしょうか?

「金メダルですね!頑張ります!」

2年後に迫るのはブレイキンの未来にとって大事なビッグイベント。20歳にして世界で躍動するB-BOY・Shigekixはパリへの大きな一歩を踏み出した。

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4月24日(日)23時15分から
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