新型コロナウイルスの影響で飲食店の売り上げが落ち込む今、ラーメンやカレー、おつまみといった自動販売機を設置する店舗が新潟県内で増えている。

そんな中、「山に囲まれた街に変わった自動販売機がある」との情報が。さっそく調査に向かった。

SNSでも話題! 豪雪地域に現れたマグロ自販機

NST長谷川珠子アナウンサー
NST長谷川珠子アナウンサー
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海のない街、新潟県十日町市。冬の時期は積雪が2mを超えることもある豪雪地域だ。

新潟・十日町市 海には面していない
新潟・十日町市 海には面していない

こんなところにある自動販売機というのが…。

マグロの自動販売機
マグロの自動販売機

なんとマグロの自動販売機。500円、1000円と天然マグロの中トロや大トロが、冷凍パックで販売されている。

取材をしていると、ひっきりなしに購入する人が訪れていた。

自販機でマグロを購入した人
自販機でマグロを購入した人

購入者:
親戚がここで買って、おいしかったと聞いて来た。天然マグロがお得な値段で購入できた。

山崎食品・本社工場(新潟県十日町市)
山崎食品・本社工場(新潟県十日町市)

海から50km以上も離れた街に、なぜマグロの自動販売機があるのだろうか?実はこの設置場所は、マグロの加工と販売を30年以上手がける「山崎食品」の本社工場の敷地内。

詳しい話を山崎社長に聞いた。

山崎食品・山崎正行社長
山崎食品・山崎正行社長

山崎食品 山崎正行 社長:
テレビで冷凍の自動販売機があることを知って、どうなるか分からないけど置いてみようと思い、始めた。すると珍しいためか、写真を撮ってSNSにあげる人が出るなど、意外に反響が大きかった。

2021年11月に設置されたこの自動販売機。気になる販売数だが、なんと1日150~200個も売れるという。すでに自動販売機を購入した費用の元は取ったそうだ。

販売しているマグロの冷凍パック
販売しているマグロの冷凍パック

おいしさの秘密はマイナス50℃の世界

販売されているマグロが、工場内でどのように加工されているのか?案内してもらった。

工場内の加工の様子
工場内の加工の様子

1日に約10トンのマグロを加工している本社工場。ベテランの従業員たちが手作業でマグロの皮を丁寧にそぎ落としてから、カチコチに凍った身を機械で柵状にカットしていく。

これら加工するマグロは、マイナス50℃の冷凍庫で保管されている。

マグロを保管するマイナス50℃の巨大冷凍庫
マグロを保管するマイナス50℃の巨大冷凍庫

この巨大冷凍庫には、世界中の海から獲れた約700トンのマグロが保管されている。マグロは非常に繊細な魚ですぐに鮮度が落ちるため、マイナス50℃の状態で保管することでおいしさを保つことができる。

まつ毛がすぐに凍るほどの寒さ
まつ毛がすぐに凍るほどの寒さ

特殊な技法で解凍され加工されたマグロは、全国のスーパーや寿司店など飲食店へ運ばれる。その加工された一部のマグロが、自動販売機で販売されているのだ。

熟練の包丁さばきでマグロが加工されていく
熟練の包丁さばきでマグロが加工されていく

醤油がなくても…30分で味わえる手軽さが人気

さっそく天然本マグロの赤身・大トロの切り落としを試食。冷凍から取り出し、30分ほど置いておけばツヤツヤで脂のりも抜群のマグロが姿を現す。

30分ほどで解凍できる 赤身・大トロの切り落としが漬け状態に
30分ほどで解凍できる 赤身・大トロの切り落としが漬け状態に

マグロは漬けの状態で、醤油がなくてもおいしく味わうことができる。

山々に囲まれた豪雪地帯で味わえる、極上の天然マグロの自動販売機。一度試してみてはいかがだろうか。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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