17日間に及ぶ熱き戦い、北京オリンピックが閉幕した。

北京オリンピックは開催国の中国にとってどのような大会だったのか、北京支局の山崎文博記者の解説。

20日夜の閉会式終了後の会場周辺の様子。
沿道に並ぶボランティアが笑顔であいさつし、観客を見送っている。

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中国当局は、懸念されていた新型コロナウイルスの拡大を抑え込んだと主張していて、大会の成功を強調しているよう。

一方で、大会の負の側面と指摘されたのが、人権問題や当局の締め付けだった。

批判を意識してか、式典では民族融和をアピールしたほか、一時安否不明だった女子テニスの彭帥選手も姿を見せたが、国際社会の疑念を払拭したとはいえない状況。

もう一つの側面は、大会の政治利用。

われわれが参加した取材ツアーでは、中国の最新技術を紹介したうえで、習近平国家主席の指導ぶりも大々的に取り上げていた。

大会のコンサートでも中国のアピールに余念がなく、アメリカなどの批判をよそに、存在感を示す狙いがあった。

(北京オリンピックは、日本と中国の関係にも影響を与えるのか?)
いくつかの好材料はあったが、楽観はできないとみられる。

羽生結弦選手の人気や、日本から火がついたともいえる公式キャラクター「ビンドゥンドゥン」の盛り上がりは、中国の国民の多くが日本に親しみを持っていることを印象付けた。

ただ、大会を成功させたと自信を深める指導部が、日中間の懸案への態度を急に変えることはなく、これからも強気のわが道を行くとみられるため、関係改善には時間がかかるとみられる。

FNN
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