新潟県加茂市の本量寺が今、SNSで話題になっている。その理由は「畳」。日本の伝統文化に斬新な工夫を加えた職人と、畳を依頼したお寺を取材した。
「畳の可能性はたくさんある」斬新な畳を世界に発信
![本量寺(新潟・加茂市)](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/f/700mw/img_7fe9febcd4f94a172d6d715a6e03d5d2136244.jpg)
鋭い目に、大きな牙。畳で作られているのは迫力満点の龍だ。
![部屋の中には…](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/0/700mw/img_90e9f44ac6d1da171d7c658e3a74b56492880.jpg)
![迫力満点!龍の畳](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/d/700mw/img_cd98483629fb3cfa59253e77e5fce02f97340.jpg)
踏むのも怖くなるようなこの畳を手がけたのは、岐阜県の畳職人・山田憲司さん。
畳職人 山田憲司さん:
畳の可能性って、もっといっぱいあるんじゃないかなと思って。
![畳職人 山田憲司さん](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/3/700mw/img_4354422d9b1495ac19f41be67f3a04c8104220.jpg)
山田さんは岐阜県で150年以上続く老舗畳店の5代目。
![山田一畳店 2代目のころ](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/a/700mw/img_4a13e58499ceb402ac9b8bd7a3c0b84d112157.jpg)
5年前に友人に頼まれ、変形した畳を作ったことをきっかけに“斬新な畳”の制作を始め、SNSで発信している。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/2/700mw/img_621b63c52396921d81f09e2fd7286eba144564.jpg)
本量寺 大森舜晃 住職:
スマホを眺めていると、山田さんの畳がパッと出てきて、すごいなと。その時の衝撃は今でも覚えている。
![畳制作を依頼した本量寺の住職](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/0/0/700mw/img_00a9a1f3a1437d674f6ce6ce31427a64113235.jpg)
4カ月かけて制作 ”仏教”ならではのこだわりも
山田さんの畳に感銘を受けた大森住職が制作を依頼。
![龍の畳は全て1人で 制作期間は約4カ月(山田さん提供)](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/e/700mw/img_4ec673c7bdf2799424acd278637d1da0140102.jpg)
通常、畳の制作は1日~2日だが、龍の畳の制作期間は約4カ月。デザイン画の制作から、い草の貼り付けまで全て山田さん1人で行った。
こだわりは見た目だけはない。
![仏教にちなんだこだわりも](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/0/700mw/img_f0fbbd25e7632ce1af1b3370b11e149d98080.jpg)
本量寺 大森舜晃 住職:
私も僧侶としては、お参りに来る方にきちんとお話して、皆さんの心にとまるキーワードを揃えておきたい。
そこで山田さんは仏教の数字に合わせて、龍の頭と胴体は煩悩の数の108枚、背景は冥土の旅路の49枚で構成した。
![仏教に合わせた設計(山田さん提供)](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/c/700mw/img_2c8208a212a2c44e7c7134fb932712bf96874.jpg)
同じ「い草」なのに…角度によって見た目が変化
さらに、見る角度によって龍の雰囲気がガラリと変わる。
真保恵理アナウンサー:
正面から見ると力強い表情に見えますが、反対側に回ると畳の色が反転し、どこか優しい表情にも見える。
![同じ色のい草だが、光の当たり方で見た目が変化。表情も違って見える](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/b/700mw/img_1bc8bece78198ac76058a776e5561f0c155027.jpg)
畳職人 山田憲司さん:
全て同じ色のい草で作っているけど、畳の目の向き、少しずつ角度を調整して、光の反射で色を変えている。
![全て同じ色の”い草”を使用](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/e/d/700mw/img_ed00028fcb23f03d93d8f28b52e137df150714.jpg)
窓の位置や光の入り方など全て計算されているため、朝晩や季節によっても畳の雰囲気が変わるという。
山田さんがSNSに投稿した龍の畳の画像には、6万以上の「いいね」がつくなど話題になった。(2022年2月8日現在)
![山田憲司さんのツイッターより](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/2/700mw/img_d2e0030037db534b8b673bbd057b3def71530.jpg)
本量寺 大森舜晃 住職:
龍に乗って、ありがたい感動を得ていただければ。
畳職人 山田憲司さん:
アートは今まで壁を彩るアイテムだったと思うけど、床に絵を掛ける感じで楽しんでもらえたら。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/9/700mw/img_29d20a70b92e3933e07be76f73de51d9137908.jpg)
本量寺の「龍の畳」は、希望すれば見ることができる。
(NST新潟総合テレビ)