福井・坂井市に、40年ほど前から趣味で昭和レトロを感じさせるオモチャを集める72歳の男性がいる。
手先の器用さを生かして、子どもたちを喜ばせたいと、自身もオモチャ作りを始めたという男性に密着した。

部屋一面を埋め尽くす“昭和レトロ”なオモチャ

福井・坂井市内の住宅街。
家庭菜園で夏野菜を収穫しているのは、柳原秀信さん(72)。

柳原秀信さん:
(収穫の)ピークは過ぎた感じ。だいぶ収まった。何しろ、自分で育ててもうまくいかない

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老後の生活を平穏に過ごす柳原さん。
2階の書斎には、長年の趣味が詰め込まれている。
柳原さんが、その“コレクション部屋”に案内してくれた。

部屋一面を埋め尽くすのは、昭和レトロを感じさせるオモチャの数々。
昭和20年代のお菓子の付録やブリキの模型など、時代情緒を感じるオモチャの数々が並んでいる。

柳原秀信さん:
これなんかは、きれいな形で残っている。昭和30年代のやつやね

柳原秀信さん:
元々は、家内の実家にグリコのおまけがあった。それをきっかけに、小さいのが面白くて集め始めた

30代からオモチャ作りに夢中に

1948年、福井・永平寺町に生まれた柳原さんは、18歳から車の整備工として働き、70歳まで勤め上げた。
趣味で昔のオモチャを集める一方で、30代からは器用な手先を生かしてオモチャを手作りするようにもなった。

柳原秀信さん:
これが一番最初に作ったもの。仕事柄、自動車を扱っていたので、一斗缶を切って作った。これなんかは、ボンネットのコイルを切って作った

お金をかけず、廃材を利用して作ったオモチャ。

柳原秀信さん:
いろんな材料を自分で集めて、考えてやるのは楽しみ

オモチャの収集から、自分で作ることに夢中になっていった柳原さん。
そして3年前から挑戦しているのが、動くオモチャ“からくり”の制作だ。

からくり人形の魅力を子どもたちに伝える夢も

ドジョウすくいをイメージして作ったからくり人形は、手回しの部品を回すと、そこにつながる様々な部品が連動することで、独特の動きをする。

柳原秀信さん:
友達にドジョウすくいをする人がいて、喜んでもらえると、また作ろうと意欲が出てくる

他にも、西部劇をイメージしたものや、昭和の子どもたちの生活を表現したものなど、これまで作ったからくり人形は約30種類。

柳原秀信さん:
独学というか、自分の頭の中で考えた。設計図などは描けないから、丸や四角、三角などだけでも楽しいと思う

今後は、からくりの魅力を子どもたちに伝えていきたいと考えている。

柳原秀信さん:
昔の遊びを再現できないかと作ってみたり。子どもができるようなものを作ってみたい。皆さんが楽しんでもらえれば、面白がってもらえれば一番いい

どこか愛らしい雰囲気のからくり人形。
新型コロナウイルスが収束した先に、からくり人形を子どもたちに披露できる日を、待ち望んでいる。

(福井テレビ)

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