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2020年初回の「プライムニュース」放送で、菅義偉内閣官房長官を迎え、外交・経済など様々な課題について聞いた。年末年始の日本を騒がせたゴーン被告の国外逃亡、そしてIR(統合型リゾート)と献金の問題。緊張高まるアメリカとイランの関係の中、ホルムズ海峡への自衛隊派遣を行う日本の立場は。幅広い内容について政府としての展望を尋ねた。

「絶句した」ゴーン被告逃亡問題について日本政府の立場は

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反町理キャスター:
保釈中のゴーン被告が違法に出国した事態を、政府としてどう受け止めていますか?

菅義偉内閣官房長官:
事実関係については現在確認中、捜査中。だが、ゴーン被告が不正な手段で不正に出国したことは事実であり、政府として極めて遺憾に思っている。今回の出国に至った経緯をしっかりと解明して、政府として二度とこうしたことが起こらないような対応を行っているところです。

反町理キャスター:
保釈や出入国管理の制度そのものに問題はなかったでしょうか。今後制度の改正により強化することは?

菅義偉内閣官房長官:
我が国の司法制度は適切に運用されていると思っています。ですが、こうした事実が明らかになったわけだから、それについて様々な問題・事実関係を解明する。その結果、二度とこのようなことが起こらない体制が必要です。

反町理キャスター:
国外逃亡したという話を聞いたときの、官房長官ご自身の最初の感想はどんなものでしたか?

菅義偉内閣官房長官:
私自身これを最初に聞いたときに、絶句したというか。いろいろと噂もされていましたから、遺憾だと思いました。

ゴーン被告の声明:(2019年12月31日)
「私は今レバノンにいる。もはや私は有罪が前提とされ差別が蔓延し基本的人権が否定されている不正な日本の司法制度の人質ではなくなる。日本の司法制度は国際法や条約の下で守らなくてはいけない法的な義務を目に余るほど無視している。私は正義から逃れたのではない、日本の不公正と政治迫害から逃れたのだ。」

反町理キャスター:
ゴーン被告は政治的迫害をされていたと感じていますか?

菅義偉内閣官房長官:
私は全くないと思う。一般の方と同等に扱っている。そこが基本ですから。

反町理キャスター:
15億円の保釈金に加え、今回の脱出にかかった金額を考えると合計25億〜30億という金をかけて脱出したと考えられます。「金があれば国外脱出できる」という先例ができてしまったのでは。

菅義偉内閣官房長官:
法の下の平等が担保されるように、再び不法な手段で不法に出国するようなことが二度とできないようにすることが大事。

反町理キャスター:
このような声明を出していることを見ると、ゴーン被告は逃げ切ったつもりでいる。日本に取り戻す方法はあるのでしょうか。

菅義偉内閣官房長官:
政府としていち早くICPOに申請して、国際手配を受け付けてもらっています。このような様々な外交的な手段を行使しながら行っていきたいと思っている。

反町理キャスター:
日本政府の威信をかけて、政府として取り扱うべき案件と考えているか。

菅義偉内閣官房長官:
これだけの大きな事案なので、当然そう思います。

アメリカ・イラン間の緊張高まる中東情勢について

竹内友佳キャスター:
アメリカが「自衛措置」としてイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した。これをどのように受け止めていますか。

菅義偉内閣官房長官:
安倍総理の会見にもあったが、中東地域の緊迫が非常に高まっている。政府として憂慮しながら、すべての外交関係者が緊張の度合いを高めないように外交努力を行うことが一番大事。

反町理キャスター:
ソレイマニ司令官はトランプ大統領の言うように世界一のテロリストなのか、それとも地域の英雄なのか。アメリカの同盟国である日本は今回の事案を評価しているのか、遺憾であるという立場なのか。

菅義偉内閣官房長官:
政府としては詳細な事実関係を承知していないので、コメントすべきではない。

反町理キャスター:
自衛隊派遣で情報収集活動を行う。護衛艦についてはかなり危険度が増しているのでは。その中で、イランからもアメリカからも信用される立場はとれるのか。これだけ緊張している中で真ん中に立つ危険性があるのでは?

菅義偉内閣官房長官:
日本は原油の約9割を中東地域から輸入している。また世界の国々が派遣を行う中で日本だけ何もしなくていいということはあり得ない。そこで日本は自衛艦・航空機の活用を決定した。当然、安全航行のために米国にもイランにも説明を行い、今回派遣するということです。

反町理キャスター:
イランは歓迎してくれるか。

菅義偉内閣官房長官:
少なくとも理解はしてくれている。心配はしていない。

IRと献金をめぐる汚職疑惑の問題について

竹内友佳キャスター:
不祥事が相次いでいることをどのように受け止めているか。

菅義偉内閣官房長官:
今回の秋元議員の逮捕は大変残念。外国人からの献金は禁止されており、IR以前の問題ではないか。ただこの企業にはIRの実績がなく、現実的な話なのか首をかしげざるを得ない。

反町理キャスター:
けじめのつけ方について。日本維新の会の下地幹郎議員(1月7日に離党届を提出)は選挙資金として献金を受け取ったことを認め、松井一郎代表は下地議員に議員辞職すべきだと述べた。政府自民党として、当該の自民の議員に議員辞職すべきと言うべきか。

菅義偉内閣官房長官:
それは維新の判断。あそこは企業献金も禁止しているほど厳しい。自民の議員は現在、全員否認しているのではないでしょうか。捜査中なので発言は控えたい。

反町理キャスター:
野党はこの事案を受け、すでに成立しているIR推進法を廃案にしようと動いている。これをどう見るか。

菅義偉内閣官房長官:
これは散々国会で議論して成立したもの。日本のインバウンドを考えたとき、現在世界130の国と地域で行われているIRは日本が世界の人々に来てもらう観光先進国を目指すためには必要。これと今回の問題は明らかに次元が違う。

BSフジLIVE「プライムニュース」1月6日放送分より