「意思共有型」と「役割遂行型」

いよいよ来年に迫った2020東京オリンピック・パラリンピック。

昨年のピョンチャン冬季オリンピックでは、過去最多のメダル獲得、勇敢な選手の姿に感動感涙された方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。特に「チームワークの日本」と、仲間との連携の素晴らしさが大々的に評価されました。

これはビジネスにおいてもいわれることで、日本の優れた一面を表していると思います。
必ずしも海外勢がチームワーク力に欠けているとは言いません。彼らのチームワークも素晴らしいと思います。
ただ、ひと口にチームワークといっても様々なタイプがあるのです。

日本のチームワークは「意思共有型」。共通認識のもと、先へと進んでいきます。

一方、海外勢のチームワークは「役割遂行型」。それぞれの強みを生かして、まとまっていきます
どちらが良いという訳ではなく、どちらも魅力的であることに間違いありません。

また、その両方を知っている人ならばどんな状況にも適応できるしなやかさと強さがあるのではないでしょうか。
オリンピック選手に選ばれる人が強豪国に「武者修行」に行くと表現されるのも、技術レベルだけでなく文化や考え方の違いにより精神的にも強くなるからなのでしょう。

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協調より挑戦・・・他の人にもできるような仕事の仕方はしない

スノーボードハーフパイプの金メダリスト、ショーン・ホワイト氏のインタビューで、こんな回答がありました。

「大きければ大きい大会ほど緊張しない。プレッシャーを力に変える。プレッシャーを楽しもうと思う。」

これは努力に裏打ちされた心の強い人だからこその言葉と思うと同時に、私はこの言葉に個を尊重する文化的背景を感じました。大きな大会ほど本気になれて緊張することもない、というのは生真面目な日本ではなかなか公に言えない言葉に思います。
小さな大会では本気にならないのかと誤解を招いてしまいそうだからです。

他の人とは違う個性に価値があるアメリカのような国からの外国人はビジネスにおいても競争の激しい職業では「その人だからできる」といった主張ある仕事をするのではないでしょうか。
「他の人にもできるような仕事の仕方はしない」といった方がいいかもしれません。
言い換えれば、「その人にしかできない」仕事で信頼を獲得し、競争に勝っているのでしょう。
そこで優先されるのは協調より挑戦なのです。

アメリカのチームは「ミックスナッツ」

アメリカでは、組織力の中身は各々の役割と範囲が決まっています。
任された仕事に対してベストを尽くす、という考え方の人が少なくないようです。
アメリカのビジネスで、チームは「ミックスナッツ」に例えられるといいます。ミックスナッツは数種類のナッツが1つの袋に入っていますが、それぞれの見た目や味は異なるからです。
任された範囲で最大限のパフォーマンスをする、というビジネススタイルです。

任された仕事以上は上司の範囲、上司はそれだけの給与をもらっているのだから。というのも彼らの感覚です。
アメリカの企業で働いている知人からは、業種にもよりますが自由なようで意外とトップダウンである、という話を聞きます。
そんな彼らには日本式の稟議とか情報共有と承認を幅広くおこなう仕組みとかは理解し難いのかもしれません。

アメリカ出身者に限らず、外国人社員がいる場合、組織や役割についての考え方に外国人社員との相違があったとしても、話し合いなど密なコミュニケーションを取りながら、恐れずお互いの良いところを伸ばして、強くしなやかな企業成長を遂げていただきたいです。

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