“海の生き物”のリアルなペーパークラフトが話題

水産庁所管の「国立研究開発法人 水産研究・教育機構」のHPで、無料でダウンロードできる「オリジナルペーパークラフト」がTwitter上で話題になっている。

きっかけは、「渡辺たけし@日本酒D2C(@takeshi_rice)」さんのツイート。

ペーパークラフトの画像と共に、「水産庁のホームページにあるペーパークラフトが最高すぎる。50種類以上ある」とコメントしたツイートには6万3000以上のいいねがついている。(5月7日時点)

また、このツイートがバズった後、水産庁・広報のTwitterアカウントが反応。

「水産庁Facebookでペーパークラフトをご紹介しておりますので、フォローしていただけたら、中の人が泣くほど喜びます」とツイートしている。

56種類の“海の生き物”が作れる

「国立研究開発法人 水産研究・教育機構」のキッズページでダウンロードできるのは、マダイ、サケ、ソデイカ、ズワイガニなど56種類の“海の生き物”のペーパークラフト。

オリジナルペーパークラフト(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)
オリジナルペーパークラフト(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)
この記事の画像(11枚)

紙に印刷して、のりで貼り合わせると“海の生き物”が作れるのだが、型紙は写真がもとになっているため、完成すると非常にリアルなのが特徴だ。

マダイの型紙(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)
マダイの型紙(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)
完成したマダイ(提供:国立研究開発法人 水産研究・教育機構)
完成したマダイ(提供:国立研究開発法人 水産研究・教育機構)

難易度は5段階の★で示していて、たとえば、作るのが簡単なナンヨウマンタは「★(星1つ)」、難しいニシキエビは「★★★★★(星5つ)」という具合だ。

ナンヨウマンタの型紙(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)
ナンヨウマンタの型紙(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)
ニシキエビの型紙の一部(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)
ニシキエビの型紙の一部(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)

最も難しいズワイガニは「★★★★★★★★(星8つ)」と、規格外の難易度となっている。
 

ズワイガニの型紙の一部(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)
ズワイガニの型紙の一部(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)

おうち時間を使って、子どもだけでなく大人も楽しめそうだが、56種類もあり、難易度も様々というと、何から手を付ければよいのか?また、上手く作るコツはあるのか?

「国立研究開発法人 水産研究・教育機構」の担当者に話を聞いた。

「水産の研究機関なのでリアリティを追求しています」

――オリジナルペーパークラフトを公開したのは何年前?

9年前の2012年からです。
年々、増やしていって、今では56種類になりました。
 

――年々、増やしていっているのはなぜ?

国立研究開発法人 水産研究・教育機構では、定期的にイベントを開催しているのですが、イベントが開催される度に、新しいペーパークラフトを作っていたところ、増えていきました。
 

――型紙は誰が作っている?

ペーパークラフトが得意な職員が一人おりまして、これまでの型紙は全て、この職員が一人で作っています。
 

――どのようなことにこだわった?

イラストではなく写真をもとにしていますので、リアリティを追求しています。
水産の研究機関なので、リアリティ重視です。
 

クロマグロの型紙(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)
クロマグロの型紙(国立研究開発法人 水産研究・教育機構HP)

ズワイガニは完成までに8~9時間かかる

――56種類もあって何から手を付ければよいか悩む。子どもにおすすめは?

「ナンヨウマンタ」です。
これは細かく切るところがないので、おすすめです。

完成したナンヨウマンタ(提供:国立研究開発法人 水産研究・教育機構)
完成したナンヨウマンタ(提供:国立研究開発法人 水産研究・教育機構)

――大人は何から手を付ければよい?

よく食べているなど、馴染みのある“海の生き物”から始めるのをおすすめします。
 

――最高難易度の「ズワイガニは慣れてからの方がよい?

慣れてからの方がよいです。
ちなみに、私は、切るだけで5~6時間かかり、組み立てるのに3時間かかりました。一日がかりの作業です。
 

――上手く作るコツは?

コピー用紙ではなく、ペーパークラフト用の紙など厚めの紙を使うことです。コシがあるので作りやすくなります。
コピー用紙で作る場合は、中にティッシュなどを入れると、型崩れしにくくなるので、おすすめです。

ちなみに、ズワイガニはA3用紙で印刷するのがおすすめ
大きくて迫力のある、ズワイガニになります。

完成したズワイガニ(提供:国立研究開発法人 水産研究・教育機構)
完成したズワイガニ(提供:国立研究開発法人 水産研究・教育機構)

「これをきっかけに“海の生き物”に興味をもってもらいたい」

――今回の反響をどのように受け止めている?

驚いていると同時に、おうち時間を充実させたいという空気を感じます。
 

――このオリジナルペーパークラフト、コロナ禍でどのように楽しんでほしい?

ペーパークラフトを作るのをきっかけに、“海の生き物”の名前を覚えてもらい、興味を持ってもらいたいと思っています。
新型コロナウイルスがおさまったら、水族館に行って、実際に泳いでいる姿も見てもらいたいです。

完成したニシキエビ(提供:国立研究開発法人 水産研究・教育機構)
完成したニシキエビ(提供:国立研究開発法人 水産研究・教育機構)

水産庁・広報はFacebookに「緊急事態宣言下、ペーパークラフトを作って、家を海の生き物だらけにして遊びましょう!!」と投稿している。

4都府県に発令中の緊急事態宣言は延長が決まり、愛知、福岡も追加された。自由に外出がしづらい中、リアリティを追求したペーパークラフトで、おうちを水族館にしてみてはいかがだろうか。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。