新体操団体の日本代表「フェアリージャパンPOLA」が、5月1日に練習を公開した。そこで披露された演技は、東京オリンピックでの悲願の金メダル獲得を見据えた新プログラムだ。

今年3月、1年6ヶ月ぶりに出場した国際大会のワールドカップでは、3位という結果を残したものの、世界のトップとの実力差を感じたという。

その差とは一体何なのか?

この記事の画像(7枚)

S-PARK・宮司愛海キャスターがフェアリージャパン・キャプテンの杉本早裕吏(さゆり)選手を直撃した。

国際大会ではっきりと見えた課題

今年3月に行われた1年6ヶ月ぶりの国際大会・W杯ソフィアで、団体総合で銅メダル、ボール・フープクラブの両種目で銀メダルを獲得したフェアリージャパン。

メダル獲得を喜ぶ一方で、課題がはっきりと見えた試合でも大会でもあった。

宮司:
3月末の1年6ヶ月ぶりの国際大会、どういった課題が見つかりました?

杉本: 
ブルガリアと比較すると、技の点数がまだまだ足りていないので、点数アップのために、技を増やすことから始めました。

この大会で優勝したブルガリアと、種目別フープクラブでの点数の差を見てみると、技の難度点を表すDスコアで、ブルガリアは31.100、日本は28.000と、3点以上の差があることが分かった。

新体操の得点は、D(Difficult)スコアと、10点満点から実際に起ったミスを減点するE(Execution)スコアが合計されたものが最終的な得点となる。

一切ミスが無い満点の演技が出来たとしても、Dスコアで3点以上の差をつけられてしまうと、ブルガリアに勝てる確率下がってしまうのだ。

「技は3秒に1回いれる」

このDスコアは、2018年のルール改正により、上限が撤廃された。つまり2分30秒の演技時間の中に、どれだけ技を詰め込めるかが、勝負の鍵を握るようになった。

「私たちも『これ以上増やせるのかな?』って思っていたんですけど、増やせているので、人間まだまだ進化できるんですね」と笑う杉本。

さらに「2019年の世界選手権の時は5秒に1回に技があったんですけど、今は3秒に1回。それを2分半やっているので」と続ける。

銀メダルを獲得した2年前の世界選手権では、2分30秒の間に約30の技をこなしていたが、現在はなんと50にまで増えたという。

「『この間に技を入れるの!?』『この間に技できるの!?』っていつも思うんですけど、人間の頭で想像できることは実現できるってコーチが言っているので、『やろう』とみんなで言って。
人生の2分半は短いとは思うんですけど、そこに私たちは懸けているので、その一瞬一瞬は私たちにとって凄く大きな時間になっています」

東京五輪で目指す金

最後に間近に迫った東京オリンピックについて意気込みを聞いた。

宮司:
東京オリンピックまであと83日(取材時)ですがいかがですか?

杉本:
短いように思うけど、まだ時間はあると思っているので。日々の練習を大事に過ごしていきたいです。

宮司:
東京オリンピックでの目標は?

杉本:
目指す結果は金メダル。こういう状況でもあるので、私たちの演技を見て、「感動した」とか「パワーをもらえた」とか言っていただけたら嬉しいです。
 

「心身共に軸強く」が今年の抱負のフェアリージャパン。
3秒に1回という驚きのペースで繰り広げられる技の数々が入った新プログラムを武器に、世界トップに挑戦する。