コロナ禍で変わる強豪校の部活を調査

德田聡一郎アナウンサー:
めざましテレビではこれまでコロナ禍で変わる学校を調べてきました。第6弾は部活です。皆さん涙ぐましい工夫をしていました

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小池百合子都知事:
都立高校ですけれども4月の29日から5月9日につきましては、部活動飛沫感染の高い活動については中止と致します

コロナ禍でも皆さんが頑張っている部活だが、緊急事態宣言が出されるなどなかなか思うように活動できない状況。

「ココ調」コーナーではこれまでに文化祭や運動会などコロナ禍で変わる学校生活を調べてきた。

そこで今回のテーマは「部活」。強豪校がコロナ禍でも、さまざまな知恵を絞りながら頑張っている様子を調べてきた。

マスクとタオルを着用して練習

まずは東京・中野区にある私立・宝仙学園高等高校。こちらのダンス部は2019年に日本代表として世界大会に出場するほどの強豪校。

緊急事態宣言が出される前日の先週土曜日に取材に向かうと…

宝仙学園高校ダンス部顧問・氷室薫さん:
明日から緊急事態宣言なのでオンラインに切り替えようと思っています

この日は最後の合同練習となり、翌日からはオンラインで活動するという。

最後の練習を見てみると部員は35人だが、部屋には10人程度しかいない。

3年生・鈴木琉花さん:
チームごとに分かれてそれぞれ振り付けを考えて…

密を避けるために、4つのチームに分かれて練習。

ダンスをする時はみなさん、タオルを巻たり、帽子をかぶっているが一体なぜ…

3年生・アダーゴ愛紗さん:
飛沫で汗とかで感染しないようにマスクと帽子とタオルを必ず着用するようになりました

3年生・鈴木琉花さん:
すっごく暑いです

マスクだけでも息苦しいにも関わらず、汗が飛ばないようにタオルや帽子で徹底的に感染対策していた。

これまで練習時間は夕方6時までだが、コロナ禍では3月まで1時間程短縮して活動していた。

3年生・加藤美友部長:
一番は勝ちたいです。勝ちたいっていうのもあるし、みんなでせっかくなので楽しんで部活したいっていう二つの目的があります

そして緊急事態宣言が出された翌日のオンライン練習も取材、どうやってオンラインでダンスを合わせているかというと、パソコン画面でお手本となる生徒の動きを見て、みんな自宅で練習していた。

3年生・加藤美友部長:
昨日までは少しまたオンラインになってしまうっていう不安もあったんですけど、昨日よりも今までより個々のレベルも部活のレベルも上がれるように今後も頑張りたいと思います

フェイスシールドとマスクを併用

続いては私立・八王子高等学校吹奏楽部。マーチングの全国大会に東京代表として出場し、金賞を受賞する強豪校。

その練習を訪ねてみると…

ココ調スタッフ:
みなさん、全員がフェイスシールドをしていますね

近くで見ると…

ココ調スタッフ:
打楽器パートのみなさん、マスクとフェイスシールドを併用しています

ココ調スタッフ:
管楽器をフェイスシールドの中に差し込んで練習しています

中には同じ管楽器でもチューバの男子生徒をよく見ると、マウスピースがフェイスシールドを突き抜けている。これは一体?

2年・糸永昇立さん:
開けないと吹けないので自分でハサミで切りました

担当する楽器によっては加工したフェイスシールドを装着しながら吹いている。

さらに楽器を吹かない時は、すかさずマスクを装着し、演奏するだけでなく、感染対策も並々ならぬ努力をしている。

場所の分散とオンラインで密を回避

また、部員が132人と大所帯のため、密を避けるために楽器ごとに別々の教室に分散して練習していた。

緊急事態宣言後の活動についてはオンライン練習も視野に入れているそうで…

八王子高校吹奏楽部顧問・髙梨晃さん:
今までもオンラインでの活動を多くやっておりまして…

2020年の休校期間にはオンラインで練習し、YouTubeに動画を投稿。

3年生・近藤寧音さん:
家でもできることをしっかりやって、この状況でも最大限活動を有意義にできるようにしたい

1年を締めくくる定期演奏会も関係者のみで行われ、ライブ配信は再生回数1万5000回を超えた。

3年生・藤来実 副部長:
いつもよりいろいろな方がYouTubeを通して見て下さったので、良かったのではないかなと思っています

名物「大根踊り」の新しい形

続いては大学の部活で創団90年の東京農業大学の応援団。その名物といえば「大根踊り」。

しかし、今はできなくなっているという。

3年生・矢荻源士團長代理:
この踊りをする際に動きも大切なのですが、声を出すので大根踊りができないという形になってしまいます

「大根踊り」は声が重要。声無しでは成り立たないため披露できないのだという。

そこで皆さんが代わりに頑張っているのが、声を出さずにメガホンをたたいての応援。

メガホンを見ると…

3年生・矢荻源士團長代理:
お見せするのも恥ずかしいくらいボロボロなんですが、これくらい強く心を込めてたたいているという証拠なのかなと思います

ボロボロになるのはメガホンだけではなく…

ココ調スタッフ:
血がにじんでらっしゃる

3年生・内田維成さん:
そうですね。出血はつきものかなと思います。応援団としては誇りかなと思います

チアリーダーの接触を伴う演技は禁止

また、チアリーダーにもこんな制限が…

全學應援團チアリーダー部4年部長・長井美都さん:
チアの醍醐味でもあるスタンツが接触することにつながっておりまして、スタンツができないところが大変な所ではあるんですけれども。

現在は感染対策で複数人で組み体操のように人を乗せたり、飛ばしたりする演技=スタンツが禁止。

そこで今、力を入れて練習しているのが接触のない演技。

全學應援團チアリーダー部4年生・長井美都部長:
私もバク転ができなかったんですけれど、コロナ禍で練習して今できるようになったのでパワーアップできたと思います

コロナ禍で新人勧誘が難しい

また、京都大学の女子ラクロス部は悩みを打ち明けてくれた。

女子学生A
新歓(=新入生歓迎活動)が十分にできない…

女子学生B:
ビラを配ったりっていうのもできないので難しさを感じています

コロナ禍で非接触が求められるため、新入生の勧誘が難しくなっているという。

そこで学生が作った新歓用のプロモーションビデオを無料で掲載してくれるサイト「部活のみかた」を利用。

京大女子ラクロス部の動画は、ダイナミックなカメラワークでラクロスがどんなスポーツでどんな魅力があるのか分かりやすく解説されていた。

女子学生C:
掲載していただけることで私たちがリーチできない層に見ていただけることができることですごくありがたく思っています

井上清華キャスター
本当にさまざまな工夫がありましたね。吹奏楽部はやっぱりマスクの着け外しって本当に大変だと思うんですけれど、皆さん頑張ってらっしゃいますよね

三宅正治キャスター
あと応援団の方たち。声が出せない分、もどかしさを思い切りメガホンにたたきつける力に変えているんだと思うのだけれど、傷もできていましたけど、あれ腫れあがるよね。大変だと思うわ

(「めざましテレビ」4月28日放送分より)