「それって、ホント?」と言いたくなるマナー、多くありませんか?
新入社員のキャトウさんも、そんな“もやもやマナー”に悩まされるひとり。

仕事納めを目前に、忘年会ラッシュのシーズン。
飲み会が始まって最初のイベントが、全員そろっての乾杯!
最近は「一杯目は全員ビールで!」ということも減っているようだが、一方で「ひとりだけソフトドリンクを頼んだらひんしゅく?」なんて考えてしまう人も、未だ少なくないはず…

そこで、今回のテーマは…

前回は忘年会への誘い方や断り方をご紹介したが、今回はいざ飲み会に参加した時に“もやもや”してしまうマナーについて、国内外の企業や大学などでのマナーコンサルティングや人材育成などのマナー指導を行っている、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんにお話を聞いた。

西出氏:
以前は、「まずは皆さんに合わせてビールで乾杯」と言われていました。しかし、時代は変わり、「自由に頼んでいいよ」と言われたら「自由で良い」となっているのが現状です。また、アルコールが飲めない人もいるわけですから、そういう人はソフトドリンクで乾杯することになりますね。

マナーは、相手がどのように捉えるかで、その答えが変わるものですから、一概に善し悪しを決めつけることではありません。

とはいえ、「最初の一杯」でまずはその場をスムーズにスタートさせたいという気持ちがあれば、アルコールでもソフトドリンクでも、それぞれに周囲の人と「同じものを注文する」という配慮は気遣いとして心得ておくと素敵です。

そして、乾杯が終わり、周囲の人たちが二杯目をオーダーするときに、好きな飲み物をオーダーすると安心です。

「最初の一杯はみんなビールで合わせよう!」というのは、やはり少々時代にはそぐわない。しかし一方で「まずは周りと同じものを頼めば、全員のドリンクが揃うまで時間がかからないはず…」という気遣いもあると、会がスムーズに開始でき、雰囲気も良くなるはず。
お酒を飲めない人は無理して周りに合わせてアルコールを頼む必要はないが、お酒を飲める人も飲めない人も、好きなドリンクをバラバラに頼むのは二杯目以降にして、「最初の一杯」はある程度周りと合わせるのがいいだろう。

そして、もちろん周囲が「全員ビールでいいよね!」などと誘導するのはNGだ。

「料理を好きに頼んでいいよ」と言われたら…?

乾杯が終わり、歓談タイムとなったら、次に気になるのがお料理事情。
大人数の場合はコースを楽しむ…ということも多いだろうが、少人数の場合は「好きに頼んでいいよ!」と言われることもあるはず。
けれど、自由に!というのが一番困る…

西出氏:
まず、「好きに(適当に)注文してね」と言われたら、「はい。かしこまりました」と感じの良い返事をしましょう。そして、その先輩との関係性にもよりますが、「先輩のリクエストはありますか?」と上司や先輩の好みをその場で聞くこともアリです。同期などには、聞きやすいと思いますので、「何かリクエストがあれば」と出席者の好みを聞くことは、その人の好みを知ることもでき、コミュニケーションの一環として良いと思います。

一方、このような雰囲気でない場合などは、ある程度、自分で決めてオーダーをすることになりますね。しかし、一人で決めるのは気持ち的にプレッシャーにもなるでしょうから、お隣の席の人に「どうしましょう。何を注文しましょうか」などと、助けていただくと良いですね。

お料理は、サラダ、前菜のようなもの、お魚料理、お肉料理などのバランスを考えてオーダーしましょう。


自由に!と言われても、本当に“好き勝手”にオーダーするのは控えたい。
あくまでも同じテーブルの上司や先輩の好みを聞いてバランス良くオーダーするのがいいだろう。

そして、食事の最中に気になるのが、料理の取り分けやお酌などをすべき?という問題。
「忘年会に行きたくない」という人の中には、「お酒を注がなくちゃいけないのが面倒…」という声も聞かれるが…

西出氏:
取り分けもお酌も、今の時代は「するべき」という強制などはまずありません。それをしなかったからといって、マナー違反ということもありませんね。
マナーは「相手がどのように感じるか」ですから、取り分けやお酌をした人のことを「気が利いていいね」と思う人もいれば、「頑張ってるなー」「大変だなー」「気をつかっているなー」「自分でやるからいいよ」などと思う人もいます。


大切なことは、取り分けやお酌をしてくれた人に対して「恐れ入ります」「ありがとうございます」などの御礼をきちんと伝えること、これはマナーとしていえますね。

目上、目下など関係なく、お互い、同じ社会人として、仕事人として、同じ組織の人同士、日頃の感謝の気持ちをもってその場を楽しく過ごすことが一番のマナーだと思います。

敢えてお伝えするならば、お醤油などの調味料が遠い場所にある場合などは、それを近くまでもってきて差し上げるとか、取り皿を新しく交換したほうがいいかな、というタイミングでお店の人にそれをお願いしたり。取り分けやお酌をする、しないに固執することなく、常に相手中心のマナーの意識をもっていれば、相手が喜ぶさりげない気配りができ、それが好印象に繋がるのではないでしょうか。



取り分けやお酌をすることは部下の役目!といったムードは未だあるかもしれないが、これらは「しなければマナー違反!」というものではない。
ただし、取り分けやお酌をしてもらうのが当然、という態度はNG。感謝の気持ちを持って言葉をかけ合うのがいいだろう。


今回の“もやもやマナー”、「〇〇しなくてはならない」というマナーはないが、お互いに「これをしたらお互いに気持ちよく過ごせるかも?」という気遣いを持って過ごすのが、楽しい場を作るポイントだ。

(漫画:さいとうひさし)

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