娘の帰りを待ち続け…
震災で長女が行方不明となった夫婦は、墓参りをしながら、娘の帰りを今も待ち続けている。
宮城県山元町の寺には、一組の夫婦の姿があった。大久保三夫さんと妻の恵子さん。
大久保三夫さん:
どこにいるんだろうな、帰ってこられないのかなって言っているんだけど、本当に早いね、8年半、早いね
大久保さんの長女・真希さん(当時27)。
山元町の常磐山元自動車学校で勤務中、津波に襲われ、今も行方不明のまま。
この日供えたのは、青いリンドウ。真希さんが好きな花だった。
大久保恵子さん:
前みたいに泣くことはなくなったけどね。でも、11日は仕事も休んでお墓参りして、それが8年続いているだけ
大久保さんが向かう場所はもう1つ。慰霊碑が立つ自動車学校の跡地。
真希さんが最期にいたこの場所には、今も毎週訪れている。
大久保三夫さん:
娘が帰ってくればお墓になるんでしょうけど、ここから流されたという思いしかないので、ここなんですよねやっぱり
2019年3月には、慰霊碑の前に真希さんが好きなサクラの木を植えた。
訪れるたび、真希さんとコーヒーを飲むことも日課だ。
大久保三夫さん:
こうやってずっと暮らしていくんでしょうね。私ら多分。何も変わりなく。自分たちだけ年とっていく気がしてね
大久保恵子さん:
色んな供え物をあげてもらっているとみんな忘れないで、思ってくれているのかなと思うから本当にありがたい。そのためにもきれいにしておかないとね
これからもただ、娘の帰りを待ち続ける。
(仙台放送)