未来を見据えた取り組みに

子供たちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」は、全国的には3700ヵ所が設置され、ここ3年で約12倍に増えている。こうした中、長崎県大村市では、これまでとは違ったアプローチの「子ども食堂」が誕生し、地域の交流の場になっている。

参加者:
みんなと作るのをずっとしたかった。

参加者:
みんなでわいわい楽しく、料理を作りましょう。

長崎県大村市のキッチンスタジオで始まった「いろはキッチン」。
8月から 月に一度開かれている。

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参加した子供:
天ぷら?エビフライばっかりだから天ぷらで作ってみたい

何を作るかは、その日に集まったメンバーで話し合って決める。

参加者:
天ぷらも料理の基本だよね。かきあげはその場にあるものでも作れるから。冷蔵庫の残り物でできるから、ぜひ覚えて

献立を決めたり、買出しにも、日頃家計をやりくりしている主婦の経験が光る。

カレーを無料で提供

同じ頃、Chun Cafeでは…

Chun Cafeオーナー 喜田洋史さん:
奈良の取り組みでこういうことしていると初めて知って、私でも何かできないかなと思っていたところに(奈良の取り組みの)動画を見て、これだ!と思った

奈良の個人塾で始まった「げんきカレー」、代金にプラス200円を支払うとチケットが購入できる。

このチケットは店に保管され、店に来た人は誰でもこのチケットを使い、無料で食べることができる。

オーナーの喜田さんは、9月から月に一度「元気カレーの日」を始めた。

Chun Cafeオーナー 喜田洋史さん:
何かしたいと思っている人は世の中にいっぱいいるんだなというのが良くわかってね。自分ひとりの力じゃできないけどお客さんが1枚、2枚と買ってくれるから、なんか勇気もらった感じで、これだったら続けていけるなと

普段お店で出すカレーはスパイスにこだわっているが、この日だけは「甘口」だ。

ーーこのきゅうりは?

Chun Cafeオーナー 喜田洋史さん:
きのうもらった

それぞれ持ち寄った「自分にできること」が途切れのない支援へとつながる。

Chun Cafeオーナー 喜田洋史さん:
子ども会とか無くなって、子どもと触れ合う機会がない。コミュニケーションとる機会が。子供にとってコミュニティがひとつ増えて、例えば親に話せないことでも「少しおじちゃんに聞いてみようかな」とか、そういうことにもつながれば

カレーを食べに来た子供:
人のために何かするのはいいことだなって。ひろしさん、ごちそうさまでした

Chun Cafeオーナー 喜田洋史さん:
ありがとう

チケットを買ってくれた人への感謝を込めて、手を合わせる。

Chun Cafeオーナー 喜田洋史さん:
狙いといったら言いすぎだけど、このカレーを食べた子供達が大きくなった時に自分もやってみようかなと、優しい子供達が優しい大人になればいいかなと

運営の難しさも

農林水産省が 昨年度まとめた子ども食堂へのアンケート調査では、活動の目的として9割近くが「生活困窮家庭の子供の居場所作り」を意識している一方、運営にあたって感じている課題について、4割以上が「来て欲しい家庭の子どもや親に来てもらうことが難しい」と回答している。

みんなで料理をしてみよう

そして、「いろはキッチン」では…

参加した子供:
いけるかな

参加者:
(包丁が)種にあたったら、ぐるっと回して

参加した子供:
Youtubeとかで(料理の動画を)見るんですけど、うまくいかないですね

参加者:
(揚げ物を)したことある?

参加した子供:
ない

参加者:
じゃあやってみましょう

いろはキッチンのメンバーは大村市で子ども食堂を始める際、立ち上げから携わっている。

いろはキッチン 松野京子さん:
最初は貧困や子供達の為にと思ってはいたけど、そういうのをすると皆構えてしまったり、地域的にも偏見とかあるから

はじめは手探り状態だったが、活動の趣旨に共感した人が一人、また一人と増えて支援の輪も広まってきた。

いろはキッチン 松野京子さん:
世代を超えて楽しめる食事をしようよ!というのが一番やりたいこと

8月から始まったいろはキッチンでは、将来進学や就職で親元を離れる中高生に無料で料理の「いろは」を教えている。

いろはキッチン 松野京子さん:
(家庭によっては)両親とも働いているので伝承的なものできないところもあるのではという話で、そういう手伝いができたらいいねと

参加者全員:
いただきます

参加した子供:
お母さん(に教わると)やってくれるじゃないですか。でも、ここって自主的に「自分が思うようにしていいよ」と言われて

いろはキッチン 入江詩子さん:
料理は失敗しても大したことない。失敗を恐れてしないよりもどんどんしてみて(失敗)から学ぶ方が絶対に楽しいので、どんどん料理をしてもらえたらと思う

取り組みは試行錯誤の段階だが、続けることで本当に支援を必要としている家庭とつながる日が来るかもしれない。

いろはキッチン 松野京子さん:
「無料だったらやってみたい」という中高生が入ってきてくれたら、その中にもしかしたら
満足にバラエティに富んだ(食事を)食べていない子もいるかも。もっと広まったらいいなと

「食」を通じた新たな試みは、子供のお腹と心を一時的に満たすだけでなく、子供、そして地域全体の「未来」を見据えた取り組みへと変わり始めている。

(テレビ長崎)

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