書店に驚きのツリーが出現
年末の一大イベントといえば、12月25日の「クリスマス」。街中でクリスマスツリーを見かけることも増えたが、今年は少し変わった光景が、ある書店で見られるのをご存じだろうか。
それがこちらだ。

なんと、クリスマスツリーの素材となっているのは書籍の数々。表紙が緑色の本を角度をつけながら積み重ねることで、遠目で見るとまるで、本物の枝葉のように見えるではないか。
この“本のクリスマスツリー”が出現したのは、東京・千代田区の神保町にある古書店「澤口書店 厳松堂ビル店」の一角。12月11日から、日によって店内または店頭に飾っているという。

この展示はネットで注目され、撮影した写真をSNSにアップする人も出ている。古書店側は話題となったことが予想外だったらしく、店舗のTwitterアカウント(@sawaguchigansho)では、驚きの声とともに、ツリー以外の商品は撮影しないようにと注意を呼びかける事態となった。
ま、まさかのバズ!!!!????
— 澤口書店 巌松堂ビル店 (@sawaguchigansho) December 13, 2020
スタッフ一同びっくりな東洋文庫のクリスマスツリーちゃん🎄(朝から取材も…(;O;)!?)
本日はお外に設置です☃
【見に来て頂ける方へのお願いです】
クリスマスツリー【のみ】写真撮影OKです📷
他の商品、店内の撮影はNGですのでお気を付けください pic.twitter.com/tfzT64KN1h
ま、まさかのバズ!!!!????
スタッフ一同びっくりな東洋文庫のクリスマスツリーちゃん
クリスマスツリー
(朝から取材も…(;O;)!?)
本日はお外に設置です
【見に来て頂ける方へのお願いです】
クリスマスツリー【のみ】写真撮影OKです
他の商品、店内の撮影はNGですのでお気を付けください
緑色の装丁を生かした本のクリスマスツリーは、書店ならではのアイデアだが、一体なぜ、このような形で展示しようと思ったのだろうか。
そして、一冊一冊積み重ねるのは苦労しそうだが、どのように制作したのだろう。澤口書店 厳松堂ビル店の担当者に聞いてみた。
コロナ禍で少しでも元気をと初展示
ーーなぜ、本のクリスマスツリーを展示した?
神保町には多くの書店がありますが、コロナ禍で来店者が減っています。体感では3割減くらいでしょうか。そんな状況が少しでも元気になればと作りました。こうした試みは今回が初めてで、クリスマス関連の古書の販売開始に合わせて、展示することにしました。
ーーツリーの制作に使っている本の種類は?
すべて、東洋文庫の書籍となります。東洋文庫の本は装丁が緑色で、本好きなら見ただけで分かるほどです。展示のきっかけでもありますが、お店にたまたま100冊近くあるのを見て、これでクリスマスツリーを表現できるのではないかと思い、使用させていただきました。

ーーツリーの制作時間や大きさ、使用冊数は?
30分ほどで積み上げました。大きさは約170センチ、使用数は120〜130冊となります。
ーー制作でこだわったこと、苦労したことは?
ツリーに見えるように積んだことがなかったので正解が分からず、2〜3回積み直しました。枝葉に見えるよう、飛び出している本と本の間を何冊にするのかは悩んだところで、この違いで全体のバランスも変わるので大変でした。実物だとツリー下段は3冊積み重ねて、上段は2冊積み重ねて、その間に本が飛び出るようにしています。
店内が温かい雰囲気になった
ーー客からはどんな反応がある?
ネットで見た、可愛い、面白いといった反応もいただきましたし、写真の撮影許可や欲しい本があったら抜いてくれるかという質問をされたこともあります。写真撮影しようと、ツリーの周囲を10人近くが囲んでいることもありました。
ーー展示でお店に変化はあった?
笑顔で見ている来客者がほとんどでしたので、こちらもうれしくなりました。店内が温かい雰囲気になれたので、そこは良い効果だったと思います。
ーーちなみに、ツリーの本を購入した人はいる?
12月16日時点で購入した人はいませんが、ツリーの本のタイトルを気にする人はいるので、本に興味をもっていただくきっかけにはなるとは思います。
ーー購入したい場合はどうすればいいの?
ご自身では触らず、スタッフに相談していただければと思います。

ーー最後に、読者に呼びかけたいことを聞かせて
厳しい年末年始になりそうですが、神保町の古書店、書籍店は感染予防対策をして、お客さまを迎える準備をしています。家でゆっくり読書する時間も増えると思いますので、ぜひ遊びにいらして下さい。よろしければ、クリスマスツリーも見に来ていただけたら幸いです。
本のクリスマスツリーは、コロナ禍で客足が遠のいた町を元気にしたいと展示したものだった。展示は12月25日のクリスマスまでを予定しているが、本の売れ行き次第で、ツリーのサイズが小さくなったり、展示を早期に終える可能性もあるという。
(画像提供:澤口書店 巌松堂ビル店@sawaguchigansho)
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