アメリカ中間選挙について、フジテレビの松山俊行解説委員長とお伝えします。
今回の中間選挙は上下両院で民主党が過半数を獲得する、トランプ大統領率いる共和党の惨敗となりました。
特に、接戦州とされた9つの州の上院選挙も、ふたを開けてみるとほとんどの州で民主党が勝利という結果になりました。
フジテレビ・松山俊行解説委員長:
事前の調査で、民主党の候補が各州で優位に立っているという情報がありましたが、ここまで早く勝敗が決するというのは予想外だったといえると思います。接戦州では、伝統的に共和党が強い州でもトランプ氏に「ノー」が突きつけられたという形になりましたが、いわゆる「MAGA」路線、アメリカ第一主義を掲げていた「トランプ的政治」の終わりの始まりとみて取ることもできると思います。
共和党は今後トランプ路線を引き継ぐのか否か、これでおそらく分裂する可能性が出てきていまして、立て直しに追われるということになりそうです。
また、対する民主党の方ですが、共和党の地盤であるテキサス州で37歳のタラリコ氏が勝利し、ちょうど20年前のオバマ氏のような“ライジングスター”として取り上げられています。他に、ジョージア州で勝利したオソフ氏などとともに、2028年の大統領選の候補になり得るという見方も出始めています。
この結果を受けて、トランプ大統領は中間選挙の結果を受け入れる用意があるなどと敗戦を認め、民主党との協力姿勢を見せた一方で、自身のSNSでは拒否権と描かれた帽子の写真を投稿しています。
――2028年の大統領選まで残り2年の任期を残すトランプ大統領は、次の一手考えている?
フジテレビ・松山俊行解説委員長:
内政に関しては打てる一手がないというのが実情だと思います。この残り任期2年は、政権や共和党の法案が議会では通らないということになってくる一方、民主党の方は多数派を持っていますので、トランプファミリーのビジネスや、側近の不正を調査する委員会などを次々に立ち上げてくる可能性が出てきています。トランプ大統領は、おそらく残りの任期、この対応に追われることになりそうです。
その上で、大統領権限だけでできる外交や安全保障分野にトランプ大統領は特化していき、レガシーづくりをするのではないかとみています。11月にAPECの首脳会談がありますが、米中ロの首脳会談が同時に行われるという可能性が取り沙汰されていますので、そうした大国外交に傾倒していく可能性がある。そうすると、日本などの同盟国は二の次に置かれてしまうという危険性が出てくるということだと思います。
そんな中で、中国外務省は選挙はアメリカの内政問題とした上で、「引き続きアメリカとの建設的戦略安定関係を構築していきたい」とコメント。
また、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹の与正(ヨジョン)氏が「敵対的な人たちと向き合う必要はない。平和を守るための選択肢には対話が含まれている」という談話を発表しています。
フジテレビ・松山俊行解説委員長:
まさにトランプ大統領と共和党の惨敗で、それぞれ得な取引ができるのではないかと見越してのコメントとみて取れます。
特に中国が言っている「建設的戦略安定関係」は、中国が2026年5月の首脳会談で出したコンセプトで、いわゆる「G2」という、米中の二大国で世界をコントロールしていくとの思惑が影に隠れている考え方とみられています。
また、北朝鮮も「対話」ということを口にしていますが、これも北朝鮮の核保有を認めるとか、あるいは朝鮮戦争の休戦協定に持ち込むなどの形で直接会談に応じるというシグナルを発しているとみて取れます。
米中ロでの新しい枠組みを作るなどになってくると、日本としてはかなり厳しい外交・安全保障環境に置かれるということが言えると思います。
そうしたことも含めて、民主党が議会の多数派を取ったということで、今後、日本はトランプ政権だけではなく、議会、民主党にも幅広く人脈づくりを進めてパイプ作りをしていく必要が出てくるのではないかと思います。
