福岡県のワンヘルス関連事業費の総額が5年で4300億円を超えると判明し、波紋が広がっています。
調べてみると、県議会の蔵内勇夫前議長の関与が見え隠れしていました。
◆福岡県議会 蔵内勇夫 議長(当時)(6月)
「『ワンヘルス』を推進するということは、福岡県議会の大きな政策でございます」
議員辞職した蔵内勇夫前議長がライフワークと称してきたワンヘルス。
これについて、28日の行政改革審議会で驚くべき事実が報告されました。
◆福岡県の担当者
「総事業費は4378億円、予算事項数としましては248事項になる」
これまで「5年で59億円」とされてきたワンヘルス関連事業費ですが、70倍以上の4378億円に。
1年の平均では875億円に上ります。
県の年間予算は2兆円あまりなので、毎年4%以上がワンヘルス関連の事業費に位置付けられていたことになります。
一体なぜ、こんな「ケタ違いの数字」になったんでしょうか。
◆福岡県の担当者
「主目的が(ワンヘルスとは)別にある事業も盛り込んでいることから4300億円を超える額、大きな総額となった」
県の説明によりますと、関連性が薄くても「ワンヘルス」という言葉が名称や目的に含まれている事業をすべてリストアップしたところ4300億円を超えたとしています。
これには、行革審の委員からも厳しい指摘が…。
◆委員の九州工業大学 安河内恵子 名誉教授
「予算が拡大しているもの、1.5倍とか10倍以上になっているものがある。『ワンヘルス』と名前を付けたから増えている可能性がある」
◆行政改革審議会 津田純嗣 会長
「『ワンヘルス』の冠を付けて『ワンヘルス』を県が推進しているんだと。大きく打ち出したいという思いが、現場にも相当伝わっていたんだなというのがよく見えた結果だと思います」
この4300億円の“ワンヘルス事業”について30日朝、服部誠太郎知事に聞きました。
◆福岡県 服部知事
「妥当性・必要性の説明が難しいものについては、廃止も含めて臨んでまいりたいというふうに思います。特に蔵内氏の影響で物事を決めていったということについて疑問があれば、その点について行政として、どういう判断をしていったのかということは、説明をしていかなければいけないと思うし、ちゃんと説明をしてまいる考えであります」
県議会議員にも話を聞きました。
金銭授受疑惑を証言した吉松源昭県議は…。
Q.蔵内さんとワンヘルスのこれだけの予算は関係がある思うか
◆吉松源昭 県議
「それは間違いなくあると思いますよ。他の誰かが言ったからといって1つの予算で事業予算が4000億円なんて付くことは絶対あり得ませんから。仮に知事が言ったからといって、こんなことは、なし得ないと思います」
蔵内前議長の議員辞職に伴う補欠選挙で10月に初当選したばかりで、県民目線に最も近い牛島県議は…。
◆牛島慶二郎 県議
「県民の方々の思いというところに関しては、やっぱりちょっと、かけ離れてしまっているなと。額もそうだし、あまりにも、この進め方っていうところに対して、説明とか理解とか、その思いが1つになっていないところは、福岡県としての今後の課題だと思います」
県議会の会派「新政会」の椛島県議は、「蔵内氏への忖度があったかを明らかにするべき」と話します。
◆新政会 椛島徳博 会長
「なぜそういう予算に膨れ上がってきたのか。このままではおそらく県民には説明がつかないと思う。だから政治的な動きの中で、忖度がなかったならなかった、あったならあったで、これは是正が必要だし、そこはやはり明らかにすべきだと」
公共事業も「ワンヘルス」に
県の説明では、ワンヘルスと関連性の薄い事業もかなりの数がワンヘルスの一環として進められていたことになります。
インフラを整備する公共事業についても、県が定めた「ワンヘルス推進行動計画」に含まれていて、具体的には
▽道路改良費が5年間で1911億円
▽街路事業費が293億円
▽道路交通安全施設・整備費が287億円
▽都市公園施設費が89億円
などとなっています。
これらの事業はいずれも毎年予算化され、必要不可欠なものですが、ここ数年はワンヘルス事業として含まれていました。
その理由としては、服部知事がTNCのインタビューで認めた蔵内前議長への過度な忖度が影響している可能性も考えられます。
また、関連が薄くてもワンヘルス事業に含めたほうが議会での承認が通りやすくなっていたのではないかという疑念もあります。
県は、こうした「政治的プロセスや忖度の有無」については行政改革審議会の検証の対象外とする方針を示していますがが、服部知事は30日朝、「どんな道筋で決定されたか聞かないと行革審の委員も判断できないと思うのでちゃんと説明していく」と話しており、今後は県の説明内容が焦点となりそうです。
