企業への大規模なサイバー攻撃と個人情報の漏洩に警戒感が高まる中、自民党と国民民主党の幹部が相次いで強い危機感を表明し、政府の対応強化や法整備の必要性を訴えました。
自民党の小林鷹之政調会長は27日、党の会合で「まさに有事と言ってもおかしくない状況に置かれているとの認識を、政権与党としては持っておく必要がある」と述べ、厳しさを増すサイバー空間を巡る安全保障環境への認識を示しました。
その上で、小林氏は民間企業に協力を求めることは必要だとしながらも、「まず国として迅速な対応が求められている」と強調しました。
また、政府や自治体の調達を巡るサプライチェーンリスクにも言及し、「いまだに国や自治体の調達の際に、懸念国の企業の製品やサービスが使われている例もあると聞いている」と指摘。「まず国として、自らの体制をまだまだ強化していく必要がある」と述べました。
国民民主党の玉木雄一郎代表も27日の記者会見で、「もう準戦時体制に入っているのではないか。緊張感をより高めていかなければならない」と述べ、国家安全保障上の課題としてサイバー攻撃への対応を強化すべきだとの考えを示しました。

玉木氏は、現在起きている事象について「単にAIの技術が向上し、セキュリティーホールが見つけられているというレベルを超えている」と指摘。「安全保障の観点からも非常に問題がある事象が生じているという認識が必要だ」と訴えました。
さらに、攻撃側・防御側ともにAIを活用して非常に高速かつ高度な攻撃と防御を繰り広げる時代に入ったとして、日本のサイバー防衛体制の見直しを提起しました。
玉木氏は、攻撃側のAIには規則違反や不適切、危険な利用を制限する「ガードレール」が存在しない一方、防御側が活用するAIには制約があるため、「攻撃側と防御側の能力の非対称性が生じている」と指摘。防御目的のAIも一定条件のもとで「ガードレール」を外せるなど、活用範囲を拡大できるようにする法制度の整備を進めるべきだとの考えを示しました。
同時に、アメリカの先端AI企業と連携し、日本の国や企業が一定のルールのもとでガードレールを外した能力を利用できる環境を整備する法体系の必要性にも言及。「防御と安全保障、AI開発を統合した戦略とルール作りが必要だ」と強調しました。
玉木氏は、今月運用が始まったアクティブサイバーディフェンス(能動的サイバー防御)について、「すでに陳腐化している可能性もある」と述べ、政府に対し、急速に進化するAI技術を踏まえた制度の再検討を求めました。

