プレスリリース配信元:株式会社東京カンテイ
全国の評価取得マンション10,052棟を対象に調査、坪単価指数は「星5>星4>未登録>星3」
株式会社東京カンテイは、マンション管理適正評価制度による星ランクと中古マンション価格の関係について、全国の評価取得マンション10,052棟を対象に調査を実施し、その結果を発表した。
調査結果のポイント
● マンション管理適正評価制度による評価(星ランク)は、中古マンション市場に大きな影響を及ぼしており、特に星5および星4は、登録なし(未登録)のマンションと比較して坪単価の上昇率が高くなる。
● 星ランクと未取得物件の坪単価変動率は「星5>星4>登録なし>星3」という順序になる。
● 評価制度は年々普及が進んでおり、社会的な認知が高まるにつれて、高位の星ランクを取得したことに対する市場の評価も一層高まると考えられる。
調査結果の詳細
ここからは、星ランク別の価格変動、評価取得前後の変化、地方都市における傾向の3つの観点から、調査結果を詳しく見ていく。
1.評価制度の星によるランクと登録なし物件の価格変動の差異
グラフ-1は、東京23区において評価制度による評価を受けたマンションの中古マンション坪単価について、2020年を100.0として指数化し、その後の価格変動を星5から星3までのランクごとに示したものである。あわせて、評価制度による評価を受けていないため登録なしとなるマンションの坪単価の変動も示している。

グラフ-1 東京23区 星ランク別と星なしマンションの坪単価指数推移(2020年=100)
グラフ-1の結果を見ると、星5の坪単価指数は2020年の100.0に対し2025年は199.9と、ほぼ2倍の水準まで上昇した。次いで大きく上昇したのは星4で、2025年には169.2となっている。その次に大きく坪単価が上昇したのは星3ではなく、「登録なし」(160.9)の未登録マンションであった。この傾向は、本稿ではすべてを掲載しないものの、概ね各エリアに共通しており、坪単価の上昇率にはエリアによる差が生じるものの、その順序は「星5>星4>登録なし>星3」となっている。例示として、横浜市の同様の分析をグラフ-2に示す。

グラフ2 横浜市 星ランク別と星なしマンションの坪単価指数推移(2020年=100)
このような結果から、登録マンションのうち星5と星4については、中古マンション市場において星を取得していないマンションと比較して高く評価されている可能性があり、そのため売り希望価格を高く設定できていると考えられる。
登録なしの坪単価変動が星4と星3の間に位置する理由としては、下記の2点が考えられる。
1. 登録なし=未登録マンションには将来登録するマンションも含まれており、管理状態が良く、登録すれば星5ないし星4を取得できるマンションが少なからず存在するため
2. タワーマンション(20階以上)など高価値マンションの、登録比率が全体的に低いため
2.評価取得後の坪単価変動の分析登録済みで星ありの物件は、登録された年が2022年から2026年まで調査期間の中で分散している。そのため、高位の星を取得した効果が、星を取得した年以降の坪単価の上昇として表れているのかを確認する必要がある。そこで、前後2年間の分析が現時点で可能な2023年に登録されたマンションに限り、グラフ-1と同様の分析を行った。グラフ-1では2020年を100.0としたが、この考察では登録年である2023年を100.0としている。もし星の取得が中古マンション坪単価に影響を及ぼしているとするならば、星の取得前と取得後とで坪単価の変動に明確な差が生じているはずである。

グラフ-3 2023年登録 東京23区(2023年=100.0)
結果はグラフ-3の通りとなる。星5・星4といった高位の星ランクを取得している物件ほど大きく上昇していることは明らかである。また、登録前の2年、すなわち2021年と2022年においても市場は上昇基調であったが、その後に取得する星のランクによる差はほとんど表れていない。このことからも、2024年以降、とりわけ2025年に星5・星4の物件で見られるより強い坪単価の上昇は、評価制度の星の取得による効果であると推察される。
3.地方都市の影響
評価制度の対象マンションの多くが首都圏や近畿圏、中部圏に集中しているが、これはマンションストックが大都市圏に集中しているためであり、やむを得ない。しかし、地方圏のマンションがどうなっているのかを確認する必要はある。そこで一定のマンションストックと評価制度登録マンションが存在する地方四大都市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)について調査した。
結果は東京23区に見られる傾向と同様であり、このことから、評価制度の結果と中古マンション市場での評価に地域差はなく、全国に共通した傾向となっていることがわかる。極端に物件数が少ない都市を現段階で分析するのには限界があるものの、今後登録棟数が増加しても同様の結果になると考えられる。例示として、仙台市の同様の分析をグラフ-4に示す。

グラフ-4 仙台市 星ランク別と星無しマンションの坪単価指数推移(2020年=100)
●集計の概要
集計サンプル数:対象マンション数 10,052棟(評価制度により星を取得したマンションのうち、東京カンテイのマンション登録があり、かつ集計期間内に事例が発生して価格が判明しているもの)。内訳は星5:3,349棟、星4:4,275棟、星3:2,055棟、星2:370棟、星1:3棟。
採用事例数:星あり613,468件、登録なし6,000,504件
集計期間:2020年~2026年4月 集計対象地域:全国
データ出所:マンション管理適正評価制度の登録マンションデータは一般社団法人マンション管理業協会。価格データはすべて東京カンテイに登録された中古マンション事例
●調査の方法
株式会社東京カンテイは、一般社団法人マンション管理業協会の協力のもと、マンション管理適正評価制度による評価を受け、星5~星1のランクを取得したマンション10,052棟を対象とした。東京カンテイの中古マンション事例データを用いて、評価取得済みのマンションと評価未取得(登録なし)のマンション、すなわち坪単価の判明するすべてのマンションの中古マンション坪単価を調べ、同制度によって坪単価に明確な差が生じているのかを検証した。星2以下はデータが全体の2%程度と少なく異常値発生の例も多く誤解を生じやすいため非採用とした。
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