福岡市に本社をおく九州発祥の大手総合ディスカウントストアチェーン『ミスターマックス』が、新たなプライベートブランド・PBの販売を開始した。
新PB 創業101年目の新たな挑戦
「今回、創業101年目の新たな挑戦としてプライベートブランド(PB)を『GOOD Max!』へ刷新することなりました」と話す佐藤昭彦・社長。

10月20日に発表された新PBの名称は『GOOD Max!』。サブタイトルは『ぐっといい、毎日を。』。商品パッケージは、売り場での存在感を示せるようにとカラフルさを前面に打ち出している。

これまでのPBはロゴマークを小さく表記していたが、新たなPBでは大きめのデザインに変更されている。

「さっき見たら牛乳も変わっていた。メーカー商品と比べて中身もそんなに変わらないなら安い方を選ぶ」(女性)や「デザインが今までよりは、お洒落な感じ。手に取ってみようという感じになる」(女性)と買い物客からの印象もよいようだ。

PBは、第一弾として食品や日用品、ペット用品など約100品目を売り出した。

パッケージデザイン会議に潜入
創業101年目の新たな挑戦。2026年9月、社内の会議室では新たに販売を開始するPBのデザイン会議が開かれていた。

テーブルに並ぶのは売れ筋商品の炭酸飲料。色の濃さに差があるパッケージ見本を比較しながら会議が進められる。

「泡と背景に白版(透け防止)がなければ、泡のイラストが消えて印象があまりよくない。逆に泡が濃すぎると泡が目立ってしまう。バランスとしてはこちらぐらいの透過率がよい感じ」とデザイン統括室長の田中俊信さんが、最終案をまとめ上げる。

PBは、小売業者が企画・開発などを手掛けて販売する独自の商品。メーカー製品に比べて手頃感のある価格や遜色のない品質が消費者に受け入れられている。

キーマンは、ブランド戦略部門でトップを務める平野泰啓さん。祖父は会社の創業者だ。「炭酸水は水の質もそうだが、炭酸の強さをしっかり味わってもらいたい。こだわっている。それが伝わるようなデザインにしたい」(上席執行役員・平野泰啓さん)

デザイン会議では、担当者の状況説明をもとに意見を出し合い、平野さんが最終的な方向性を示す。

新しいPBのペットシートのデザインは、統一性を持たせるため画像で揃えた。「デザインがすごく可愛い。こんな感じで商品棚にバン、バン、バンとあれば売り場で楽しい感じが伝わる。客にも『おっ。いいね』と見つけてもらえる。喜んでもらえる。これでいきましょう」(上席執行役員・平野泰啓さん)

新たなPBを立ち上げた狙いとは
ミスターマックスは、2026年2月期の売上高が約1420億円で過去最高を更新。

現在、全国に63店舗を展開し、業績好調のなかでのPB刷新は、2年半前から取り組む企業価値の再構築『リブランディング』の一環でもあると平野さんは説明する。

「経営理念を少し見直して、ミスターマックスは、暮らしの後押しをする“エンパワーメントカンパニー”になっていくと定めた。そのなかでPBのリブランディングが、ひとつの主役、大きな構成要素となるためいま着手している」(上席執行役員・平野泰啓さん)

また、2025年にミスターマックスが創業100周年を迎え、ひとつの区切りだったことも関係している。平野さんは「いま業績は上がってきてはいるが、数年前まで店舗数は増えていなかった。会社の成長も横ばい気味だった。ミスターマックスも101年目を迎えるタイミングで、次の101年、102年へ新しい挑戦をしていく社内的なシンボルにしていきたかった」と話す。

物価高騰が長引くなか、消費者の節約志向を追い風に小売り各社は、PBの売り上げを伸ばしている。

『イオン』のトップバリュは、2025年度の売上高が約1兆2000億円。前年度比で1割増となった。PBの市場規模は今後、更に拡大するとみられている。

次の100年を築く第一歩となるために
販売を始めたミスターマックスの新たなPB。500ミリリットボトルの炭酸飲料の価格は、手頃感のある63円に設定。

この炭酸飲料のPBは、福岡・糸島市の飲料メーカー『九星飲料工業』に委託して製造している。飲料製品に欠かせない原料の水は、糸島地域ならではの特徴があるという。

『九星飲料工業』の田代親さんは「脊振山系に降った雨が、伏流水となって流れていて汲み上げて原料水として使っている」と話す。

『九星飲料工業』では、さまざまな企業から製造の委託を受けていて、総生産量は、九州市場の2割に相当する。担当者は、PBのニーズの高まりが受注増加に繋がればと期待を寄せていた。

ミスターマックスもPBの拡大を掲げている。現在、売上高に占めるPBの構成比は22%、今後は30%に引き上げる方針で、動きを加速させている。

現行3種類の乾燥スープは、新たにオニオンコンソメを投入。素材にこだわり、毎日でも飲みたくなるスープをコンセプトに販売拡大を狙う。

「他社と比べてどうやって勝っていくか。商品化の承認が出たら最短2カ月でデビューさせる」(商品部・谷口博英さん)。オニオンコンソメは、12月中の店頭販売を予定している。

リブランディングによるPB刷新。次の100年を築く第一歩となるのか。
(テレビ西日本)

