10月25日に投開票を迎える新潟市長選挙。前職と新人2人の三つ巴の戦いとなる中、おととしの能登半島地震による液状化対策の住民負担の有無について候補者の訴えは対立しています。
■試験施工進む液状化対策 “住民負担”めぐり意見分かれる
【新潟市街区液状化対策室 坂井潤市 室長】
「(想定通りに)地下水を低下させることができるのかを計測するとともに、周辺宅地などへの影響の有無について確認をさせていただく」
新潟市江南区天野地区の『曽野木ことぶき公園』。
おととしの能登半島地震で液状化被害を受けたこの地域で、現在、新潟市が実施しているのが試験施行です。
街区単位の液状化対策として、集水管で地下水を集めて地下水位を下げ、液状化しにくい状態をつくる地下水位低下工法を採用する方針の新潟市。
この工事の効果や安全性を確認するため、試験施工が進められています。
【松村道子アナウンサー】
「集水管で集められた地下水は毎分30L排出され、排水路に流れています」
新潟市は今後、半年~1年かけて地下水位や地盤沈下量を観測します。
この液状化対策の事業費について、新潟市は工事費は公費で負担する考えですが、工事の完了後も発生する集水管の清掃や排水ポンプの電気代など、施設の維持管理費については住民負担を前提としています。
この市の方針に地元住民は…
【地元住民】
「お金を出して本当に保証があるなら(賛成)。新潟市や県でもお金がどのくらいあるか分からない」
【地元住民】
「子どもがみんな東京に行っているので、うちはもう夫婦で終わる。それで嫌。反対というか、お金を出したくない」
住民の間でも意見が分かれる中、候補者の中でも費用負担については意見が分かれています。
■無・現 中原候補「ゼロにはならないが負担軽減を」
【無・現 中原八一 候補】
「大変大きな住宅被害が発生し、いま住民負担や街区の全員の同意が一つのキーポイントになっているが、できるだけ多くの皆さんからこれに同意いただいて、広く街区単位の事業を実施して、安心安全な街づくりにつなげていきたい」
公平性の観点から住民負担をなくすことはできないとする現職の中原八一さん。
対策の実施に向けては、地権者全員の同意と施設の維持管理費として1坪あたり5250円の負担を住民に求める現在の方針を基本としながら、住民負担の軽減を図っていくと訴えます。
【無・現 中原八一 候補】
「今年度、国や県の動向を踏まえて、事業の要件を見直していきたい。その中で、ただにはならない、住民負担はゼロにはならないが、負担を少しでも軽減できるように見直しを行っていきたい」
■無・新 青木候補「住民負担ゼロで液状化対策進めるべき」
この方針に真っ向から対立しているのが新人の青木学さんです。
【無・新 青木学 候補】
「私はとにかく、被災者の方の支援を最大限に優先して取り組んでいき、住民負担など、こんな非現実的な条件は即止める」
新潟市が求める液状化対策の費用の住民負担と地権者全員の同意は非現実的であると訴える青木さん。
人の痛みに寄り添う市政を築きたいと住民負担ゼロを公約に掲げています。
【無・新 青木学 候補】
「私は住民負担ゼロを訴えているが、そもそも、いま住民負担と住民の方の100%の合意を求めているわけで、こんな条件を提示している限り、液状化の作業は全然進まない。即、住民負担はゼロにして、液状化対策を進めるべき」
■無・新 早武候補「復旧と中枢機能の防災力強化を」
同じく住民負担をなくすべきと訴えるのは、各地で個人演説会を開き支持拡大を図る新人の早武淳さんです。
【無・新 早武淳 候補】
「大規模な地震で電源が喪失した場合、大雨が降らなくても水没する。そういう地理的構造の街。複合型の災害、立派な病院が建っていても、死傷者を運ぶための道路が冠水して使えないということが実際に起こる」
道路や水道管などの液状化対策は整備費だけでなく維持管理費も含め、公費で負担することで住民の負担能力によって地域全体の対策が進まなくなることを避ける必要があると話します。
【無・新 早武淳 候補】
「まずは今回、能登半島地震で被災された場所の復旧、できれば行政が面倒を見るという意味での液状化対策。それからもう一つは複合災害、激甚災害に備えた中枢機能の防災力強化(が必要)」
現職と新人2人による三つ巴となった新潟市長選。投開票は10月25日に行われます。
